お知らせ
- 2018.01.25
スマイリー・マミー・プログラムを開始します
~産後のお母さんの イキイキ生活づくりに向けて~
【概要】
東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)メンタルヘルスケア推進室 室長(東北大学災害科学国際研究所 災害精神医学分野)富田博秋教授らのグループは、日本医療研究開発機構(AMED)脳科学研究戦略推進プログラムにおいて採択された栄養・生活習慣・炎症に着目したうつ病の発症要因解明と個別化医療技術開発(臨床と基礎研究の連携強化による精神・神経疾患の克服(融合脳))の一環として、2018年2月1日よりスマイリー・マミー・プログラムを始めます。
スマイリー・マミー・プログラムは、三世代コホート調査に母親として登録されている方で、次のお子さんを妊娠されたお母さんを対象に呼びかけをして、参加された方を対象に、妊娠中から産後にかけて生活習慣や自らの気持ちやストレスをモニタリングして頂きます。健康なマタニティライフを過ごせるようなサポート体制づくりと産後うつを始めとする周産期のこころの不調を引き起こす要因の特定と予防法・治療法の開発を目的としています。
【背景】
ToMMoは東日本大震災後の復興事業として平成23年度から始められた東北メディカル・メガバンク計画を推進するために設立され、岩手医科大学と共に宮城県・岩手県で総計15万人以上が参加するコホート調査を通じて頂いた、血液などの生体試料、様々な検査や調査票による医療情報などを統合し、バイオバンクを構築しています。三世代コホート調査は、宮城県全域および岩手県の対象地区に住民票登録のある妊婦さん2万2千人とそのご家族の合計7万3千人の方を対象にした長期健康調査事業です。AMEDにおいて採択された「栄養・生活習慣・炎症に着目したうつ病の発症要因解明と個別化医療技術開発」はToMMoが遂行する大規模コホートとコホート事業により集積された試料・情報リソースを基盤として、栄養・生活習慣・炎症メカニズムに着目したうつ病、産後うつの成因解明のための情報・試料の分析を行うことを目的とする事業です。スマイリー・マミー・プログラムでは、この事業の一環として、三世代コホート調査に母親として登録されている方で、次のお子さんを妊娠されたお母さんを対象に呼びかけをして、登録された方を対象に、妊娠中から産後にかけて生活習慣や自らの気持ちやストレスをモニタリングして頂くことで、健康なマタニティライフを過ごして頂くとともに、産後うつを始めとする周産期のこころの不調を引き起こす要因の特定と予防法・治療法の開発を行うことを目指します。
【詳細】
スマイリー・マミー・プログラムは、三世代コホート調査に母親として登録されている方で、次のお子さんを妊娠されたお母さんのうち500名を対象として、妊娠中から産後にかけてアプリによる生活パターン、心の変化、腕時計型のデバイスによる歩数、睡眠パターンを計測・記録して頂きながら、ご自身の生活習慣や気持ちのモニタリングを行って頂きます。本プロジェクトに参加して頂くことを通して、専門スタッフがこころの状態をサポートするとともに、これらのアプリやデバイスを活用して自分の気持ちや生活習慣、生活の中で生じるストレスなどを振り返り、セルフモニタリングすることで、行動や気持ちの変化を自身で認識しながら、マタニティライフの向上に繋げて頂くことを目指します。併せて、妊娠中の一定期間、心拍計測による自律神経測定に基づく客観的なストレス反応の計測、妊娠中の血液中のストレスマーカーの探索を行い、産後うつを引き起こす要因の特定を行います。さらに、これらの情報を統合・分析する事により、産後うつの予防法・治療法の開発を行います。
【期間】
2018年2月~2021年3月