お知らせ
- 2026.04.01
東日本大震災における被災後の住居形態と肝機能指標の関連についての論文が掲載
東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査の参加者を対象に、「東日本大震災被災後の住居形態の違いが肝機能指標の高値(AST≧40 IU/L、ALT≧40 IU/L、GGT≧50 IU/Lのいずれかを満たす)と関連するのか」という仮説について横断研究デザインにて検討した論文が、国際科学誌Journal of Disaster Researchに掲載されました。
東日本大震災における被災地域住民の居住環境の変化は、生活習慣に大きな影響を与えたことから、肝機能の悪化とも関連すると考えられます。本研究では、被災後の住居形態と肝機能指標の関連について横断的に検討しました。
本研究では、東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査参加者のうち、ベースライン調査(2013年から2016年にかけて実施した1回目の健康調査)時に宮城県内の特定健診会場で調査に参加いただいた約3.5万人分のデータを利用し、被災後の住居形態(住居被害なし又は半壊未満の被害、半壊以上の被害がありながら同じ家屋で生活、仮設住宅で生活、等)と、肝機能指標の高値の有無の関連について、属性や教育歴、生活習慣の影響を考慮した解析を行いました。住居被害なし又は半壊未満の被害であった者に比べて、半壊以上の被害がありながら同じ住居で生活していた者で肝機能指標が高値である割合が高い(調整オッズ比 1.14, 95%信頼区間(1.04-1.26))という結果が得られました。
本研究により、被災後の住居形態が肝機能指標と関連する可能性が示唆されました。居住環境の違いを踏まえた健康支援のあり方の検討や、被災地域における生活環境に応じた介入につなげることが期待されます。
書誌情報
タイトル:Cross-Sectional Study of the Association Between Housing Type Post-Great East Japan Earthquake and Liver Enzymes: Tohoku Medical Megabank Community-Based Cohort Study
著者名:Shigeru Aiba, Naoki Nakaya, Mana Kogure, Rieko Hatanaka, Ippei Chiba, Kumi Nakaya, Masato Takase, Sayuri Tokioka, Tomohiro Nakamura, Satoshi Nagaie, Soichi Ogishima, Yoko Izumi, Nobuo Fuse, Shinichi Kuriyama, Atsushi Hozawa.
掲載誌:Journal of Disaster Research
掲載日:2026年4月1日
DOI:10.20965/jdr.2026.p0514