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2025.11.10

妊娠高血圧腎症の発症時期と胎盤発育に関する論文が掲載

東北メディカル・メガバンク機構の三世代コホート調査を用いて、妊娠高血圧腎症の発症時期と胎児・胎盤の発育バランスの違いを明らかにした研究成果が国際科学誌Placentaに掲載されました。

妊娠高血圧腎症は妊娠女性の約3%に発症し、重症化すると母児の生命に関わることもあります。発症時期によって病態や転帰が異なることが知られていますが、胎盤発育との関係は十分に解明されていませんでした。
本研究では、東北メディカル・メガバンク機構が実施する三世代コホート調査に参加した17,709名の妊婦を対象に、早発型(妊娠34週未満)と遅発型(34週以降)の妊娠高血圧腎症における出生体重、胎盤重量、および両者の比(出生体重/胎盤重量比)を比較しました。その結果、早発型では胎児と胎盤のいずれも発育が抑制される一方、遅発型では胎盤重量の減少はみられず、出生体重のみが低下していました。これにより、遅発型では胎盤が栄養不足などの環境に適応するために代償的に肥大している可能性が示唆されました。

本研究は、妊娠高血圧腎症の発症時期によって胎盤と胎児の発育パターンが異なることを初めて東アジア人集団で示したものです。発症時期に応じた胎盤評価を行うことで、妊娠の適切な管理や新生児のリスクの早期把握につながる可能性があります。

書誌情報

タイトル:The Relationship between Preeclampsia Subtypes and Birth Weight to Placental Weight Ratio: Insights from a Study of 17,709 Pregnant Japanese Women
著者名:Hisashi Ohseto, Mami Ishikuro, Genki Shinoda, Aoi Noda, Keiko Murakami, Masatsugu Orui, Noriyuki Iwama, Masahiro Kikuya, Hirohito Metoki, Atsushi Hozawa, Taku Obara, and Shinichi Kuriyama,
掲載誌:Placenta
掲載日:2025年10月27日
DOI:https://doi.org/10.1016/j.placenta.2025.10.017