お知らせ
- 2012.12.28
ToMMo GMRC(ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター)の講習が初開催されました(報告その1)
2012年11月19日より12月11日にかけて、東北メディカル・メガバンク機構認定ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(愛称ToMMo GMRC)の講習が、東北大学星陵キャンパスで初開催されました。
講習のカリキュラムは12回の講義と実習から構成され*表1、認定試験の合格者がToMMo GMRCに認定されました。
講義では疫学や遺伝学の基礎および東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の事業と、GMRCが事業で担う役割が解説され、GMRCを取り巻く状況が伝えられ、難しくなりがちな研究の話を市民に対して簡単に噛み砕いて話す基本が話されました。
GMRCとは
鈴木洋一教授(人材育成部門)によるGMRCの解説から講義は始まりました。GMRCは、研究協力のインフォームド・コンセント履行補助者としての役割を担います。日本では遺伝子解析を伴う大規模な研究が始まってから、研究協力を求める現場(医療機関等)でインフォームド・コンセントに携わるGMRCが必要となりました。これを受けて養成教育が開始された事、GMRCはゲノム研究を支援する人材である事が示されました。
研究協力のインフォームド・コンセントは、研究者とは立場を異にする第三者が行うことが倫理上適切であるため、GMRCが必要とされています。
GMRCは遺伝子やゲノム解析研究についての知識を持った専門職であり、ゲノム研究を支援する人材です。ゲノム解析研究の臨床応用として、特にファ—マコゲノミクス(ゲノム薬理学)という分野に期待が寄せられています。例えば遺伝子型に合わせて最適な治療薬を選択する事は、望ましい治療効果を得られたり、副作用の回避に役立ったたりします。他にもゲノム解析研究を基にした早期診断や予防が発展すると見込まれています。
GMRCの仕事の実際
繰り返しますが、GMRCの主たる業務は、インフォームド・コンセントの履行です。講義ではそれに加えて、GMRCは研究参加者からの情報収集、試料集配、遺伝子タイピング支援等も行う事が話されました。
GMRCは、研究参加を考える市民に対してインフォームド・コンセントを行うにあたり、研究の目的、背景、方法等を解説し、研究協力による利益や不利益を説明します。
その際の配慮としては、正確な情報を提供しつつ、相手の医療や研究への理解の仕方に応じて、十分納得が得られるような説明を心がける事や、相手が落ち着ける環境で説明する事が重要と指摘されました。
臨床研究の倫理
GMRCが意識すべき臨床研究の倫理に焦点を当てた講義では、医学研究の倫理の歴史やゲノム研究が従うべき指針について説明されました。
ToMMo GMRC(ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター)の講習が初開催されました(報告その2)
参考
*表1
東北メディカル・メガバンク機構認定ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(ToMMo GMRC) の教育について
目的 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が行うゲノム疫学研究におけるリクルート、インフォームド・コンセント取得の遂行のため適切な能力をもったゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)を養成する。
ToMMo GMRC認定制度 ToMMo人材育成部門が行う講義と実習を受け、試験に合格した者は、ToMMo GMRCと認定する。 50例以上現場で経験を積み、実績報告書を提出し、GMRCアドバンストセミナーと認定された講義、講演会に一定単位数以上参加した者は、Advanced ToMMo GMRCと認定する。 認定機関は5年間とし、5年間の間に、インフォームド・コンセントの実績、セミナー参加等による認定更新ポイントの基準を超えて取得したものは、更新を許可する。更新に関する認定セミナー、ポイント数は別途定める。
GMRCの学習到達目標
学習計画 ToMMo GMRC認定に要する講義と実習、試験は合わせて15回(一回=標準60分) 以下は24年度12月認定期の予定
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