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2018.08.06

アルツハイマー病の原因遺伝子を新しく同定【プレスリリース】

-マウスとヒトのデータを統合した新たな解析手法の開発-

東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部門の山口由美助教は、理化学研究所生命医科学研究センター医科学数理研究チームの角田達彦チームリーダーのもと、大阪大学大学院医学研究科精神医学教室らのグループと共に、マウスとヒトのデータを統合的に解析することで、アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定しました。

本研究成果は、アルツハイマー病の発症メカニズムのさらなる解明、そして疾患関連遺伝子探索のためのヒトとモデル動物とのトランスレーショナル研究の発展に貢献すると期待できます。

今回、山口助教らのグループは、アルツハイマー病の原因となる未知の遺伝子を同定するために、マウスの遺伝子発現と表現型の関連データと、ヒトのアルツハイマー病のゲノムワイド関連解析(GWAS)のデータとを統合的に解析しました。その結果、これまでにアルツハイマー病との関係が知られていない遺伝子を新たに検出しました。このように、ヒトとモデル動物からの異なるタイプのデータを統合解析することで、これまでヒトのGWASだけでは検出されなかった新しい疾患関連遺伝子を発見できる可能性があることが明らかになりました。今回開発した手法は、他の疾患の研究にも応用できると考えられます。

本研究は、国際科学雑誌『Human Genetics』(7月号)の掲載に先立ち、オンライン版(7月13日付け)に掲載されました。

【論文情報】
タイトル:Integrated analysis of human genetic association study and mouse transcriptome suggests LBH and SHF genes as novel susceptible genes for amyloid-beta accumulation in Alzheimer’s disease.
著者:Yumi Yamaguchi-Kabata, Takashi Morihara, Tomoyuki Ohara, Toshiharu Ninomiya, Atsushi Takahashi, Hiroyasu Akatsu, Yoshio Hashizume, Noriyuki Hayashi, Daichi Shigemizu, Keith A. Boroevich, Manabu Ikeda, Michiaki Kubo, Masatoshi Takeda, Tatsuhiko Tsunoda
DOI:10.1007/s00439-018-1906-z
掲載誌:Human Genetics

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