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2017.04.10

東日本大震災後のお子さんの健康状態に関する結果を論文にまとめました

予防医学・疫学部門 分子疫学分野 石黒真美助教 、呉繁夫副機構長、栗山進一三世代コホート室長らは、保育所のお子さん60,270人についてのアンケート調査を日本全国で実施して、東日本大震災で被災したお子さんと被災しなかったお子さんの震災から約1年半後の有病状況を比較しました。

調査の結果から、津波を経験したお子さんでは有病率が高いことがわかりました。さらに被災経験が、男の子のアトピー性皮膚炎や、女の子の喘息の有病率と関連していたことがわかりました。

この成果をまとめた論文が、BMJ Global Health誌に 2017年3月27日付でオンライン公開されました。なお本研究は、「厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)東日本大震災被災地の小児保健に関する調査研究(研究代表者:呉繁夫)」の中の「子どもの発育状況に関する研究」の一環として行われました(東北メディカル・メガバンク計画とは異なります)。

【論文】
Disease prevalence among nursery school children after the Great East Japan earthquake
Mami Ishikuro, Hiroko Matsubara, Masahiro Kikuya, Taku Obara, Yuki Sato, Hirohito Metoki, Tsuyoshi Isojima, Susumu Yokoya, Noriko Kato, Toshiaki Tanaka, Shoichi Chida, Atsushi Ono, Mitsuaki Hosoya, Hiroshi Yokomichi, Zentaro Yamagata, Soichiro Tanaka, Shigeo Kure, Shinichi Kuriyama
DOI: 10.1136/bmjgh-2016-000127
Published 27 March 2017

 

【論文の概要】

保育所のお子さんについてのアンケート調査へのご協力を保育士の方々へお願いし、東日本大震災で被災したお子さんと被災しなかったお子さんの震災から約1年半後の有病状況を比較しました。

60,270人のお子さんの調査の結果、被災したお子さんの方が被災しなかったお子さんよりも有病率が高く、特に津波を経験したお子さんでは津波を経験しなかったお子さんに比べて2.13倍有病率が高い結果となりました。さらに、男の子では津波の経験と避難所生活の経験がアトピー性皮膚炎の有病率と関連があり、女の子では家の全壊・半壊と転居が喘息の有病率と関連がありました。

今後もお子さんの健康状態のモニタリングを続けて、長期的なニーズを把握していくことが必要と考えられます。本研究では東日本大震災より前のお子さんの健康状態に関する情報がないため、実際の震災の影響の程度については残念ながら検討できませんでしたが、将来の災害に備えるためにも平常時のモニタリング体制の構築が必要と考えられます。

自然災害が多い日本では、お子さんを中心とした健康向上を目指した災害対策をさらに強固なものにすることが求められます。本研究をはじめとする日本での経験が、各国での災害対策に役立つことが期待されます。

 

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