お知らせ
- 2026.10.01
ワンヘルス寄附研究部門(One Health Lab)の設置について
東北大学東北メディカル・メガバンク機構は、2026年10月1日、Epigenetic AI株式会社のご寄附により「ワンヘルス寄附研究部門(英文名称:One Health Lab)」を設置しました。設置期間は2026年10月1日から2031年9月30日までの5年間です。
ヒトがどの病気にかかりやすいかには、ヒトという種そのものの成り立ちが関わっています。しかし、ヒトのゲノムだけを見ていても、その特徴がヒトに固有のものなのかどうかは分かりません。長い寿命を持つ動物、がんになりにくい動物、極端な環境に適応した動物など、それぞれのゲノムと見比べて初めてヒト固有の脆弱性の輪郭がはっきりします。本部門は、ヒト以外の哺乳類のゲノム・オミックス情報と、東北メディカル・メガバンク機構が蓄積してきたヒトのデータとを突き合わせ、健康寿命の延伸につながる分子基盤を明らかにします。あわせて、そこで得られた知見を、伴侶動物や希少動物を守るために役立てます。
(1) 設置の目的
汎哺乳類のゲノム・オミックス情報をもとに、ヒトの解析だけでは見いだすことのできない遺伝的素因・オミックス変異・ゲノム脆弱性を同定し、ヒトと伴侶動物の健康寿命延伸に有益な科学的知見を創出することを目的とします。さらに、そこで得られた知見を、伴侶動物や希少動物のゲノム科学的な保護へ応用します。ヒトの健康と動物の健康を切り離さずに一つの枠組みで考える「ワンヘルス」の考え方を、ゲノム科学の側から実践する部門です。
(2) 研究の内容(三つの柱)
一つ目の柱は、汎哺乳類マルチオミックス解析です。ヒト以外の検体の採取からオミックス解析までは共同研究として他機関で実施し、得られた情報を東北メディカル・メガバンク機構のデータと合わせて解析します。
二つ目の柱は、ヒトに特有の脆弱な遺伝子群の同定です。多くの種と見比べることで、ヒトだけが持つ脆弱性を切り出します。
三つ目の柱は、汎哺乳類リスクモデルの構築です。AIを用いて疾患への脆弱性と耐性のモデルを作り、他の種へも展開できる形にします。
(3) 期待される成果
ヒトの健康寿命延伸へ寄与します。他種との比較からヒト固有の脆弱性を明らかにし、予防や早期発見の手がかりにつなげます。
さらに、他種のゲノム科学的保護を目指します。汎哺乳類の疾患脆弱性モデルをレッドリスト掲載動物等へ応用し、種の存続を脅かす遺伝的・環境的なリスクを評価する科学的な保護プランを、国際社会へ提示することを目指します。
(4) 体制
研究代表者は、東北メディカル・メガバンク機構 統合ゲノム予測医学分野 教授 清水厚志が務めます。今後、専任教員を採用する予定です。