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2023.03.02

三世代コホート調査をもとにした「妊婦の砂糖入り飲料摂取と児の過体重・肥満との関連」に関する論文が掲載

小児期の肥満は、学業不振、うつ病、いじめのほか、成人後の慢性疾患のリスク上昇との関連が示されています。砂糖入り飲料は糖分を多く含み、欧米では妊婦の砂糖入り飲料の多飲は児の過体重・肥満と関連することが報告されています。日本の成人は、欧米諸国の成人よりも砂糖入り飲料の摂取量が少ないことから、妊婦の砂糖入り飲料摂取と児の過体重・肥満との関連は欧米とは異なる可能性があります。また、1歳時の過体重・肥満は成人の肥満と関連する可能性が示唆されています。そこで、三世代コホート調査をもとに、日本の妊婦の砂糖入り飲料摂取と児の1歳時の過体重・肥満との関連性を検討しました。
本研究対象の妊婦の砂糖入り飲料(清涼飲料水、乳酸菌飲料、エナジードリンク、缶コーヒーを含む)の1日の平均摂取量は、妊娠前から妊娠初期は47.9g、妊娠初期から妊娠中期は36.1gでした。児の1歳時の過体重・肥満の割合は8.8%でした。妊娠初期から妊娠中期に砂糖入り飲料を摂取しない妊婦と比べて、砂糖入り飲料を多く摂取する妊婦は、児が1歳時に過体重・肥満である割合が1.52倍高かったです。妊娠前から妊娠初期の砂糖入り飲料摂取は児の過体重・肥満と関連はみられませんでした。
本研究から、砂糖入り飲料摂取量が欧米諸国より少ない日本においても、妊娠初期から中期にかけて砂糖入り飲料摂取量を減らすことは、児の過体重・肥満を予防する可能性が示唆されました。

書誌情報

タイトル:Associations between sugar-sweetened beverages before and during pregnancy and offspring overweight/obesity in Japanese women: The TMM BirThree Cohort Study
著者名:Misato Aizawa, Keiko Murakami, Yudai Yonezawa, Ippei Takahashi, Tomomi Onuma, Aoi Noda, Fumihiko Ueno, Fumiko Matsuzaki, Mami Ishikuro, Taku Obara, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Public Health Nutrition
公開日:2023年2月9日
DOI:10.1017/S1368980023000307