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2021.08.31

三世代コホート調査をもとにした妊娠前および妊娠中の野菜・果実摂取と生まれてくる子どもの発達に関する論文がBritish Journal of Nutrition誌に掲載されました

東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査(BirThree Cohort)をもとにした妊娠前および妊娠中の野菜・果実摂取と生まれてくる子どもの発達に関する論文がBritish Journal of Nutrition誌に掲載されました。本研究はカゴメ株式会社との共同研究です。

妊娠期の食事は、子どもの発達と密接な関係があり、これまでの研究で、妊娠中の野菜や果実の摂取が生まれてくる子どもの身体的成長を促す可能性があることが報告されています。しかし、妊娠前や妊娠中の野菜や果実の摂取量と生まれてくる子どもの神経発達との関連は検証されていませんでした。本研究では、妊娠前および妊娠中の野菜・果実の摂取量と2歳時点における子どもの発達遅延との関連を検討しました。

本研究において、妊娠前および妊娠中の野菜摂取量が多いほど、発達遅延の割合が少ないことが明らかになりました。また、果実については、妊娠中における摂取量が多いほど、子どもの発達遅延の割合が少ないことが示されました。一方で、妊娠前から妊娠初期にかけての果実摂取量と発達遅延の割合との間に関連は確認されませんでした。日本では、食事由来のビタミンAやビタミンC、葉酸などのビタミン類の多くを野菜から摂取しています。そして、妊娠期におけるこれらの栄養素の摂取は、子どもの発達を促す可能性があることが報告されています。今回、野菜と果実との間で結果が異なっていた理由は明らかではありませんが、ビタミンAやビタミンC、葉酸などのビタミン類の主要な供給源である野菜の方が果実に比べて、子どもの神経発達に対して大きな影響を及ぼした可能性が考えられます。

書誌情報

タイトル: Fruit and vegetable consumption before and during pregnancy and developmental delays in offspring aged 2 years in Japan
著者名: Yudai Yonezawa, Fumihiko Ueno, Taku Obara, Takahiro Yamashita, Mami Ishikuro, Keiko Murakami, Aoi Noda, Tomomi Onuma, Junichi Sugawara, Shigenori Suzuki, Hiroyuki Suganuma, Shinichi Kuriyama
掲載誌: British Journal of Nutrition
Published: 14 June 2021
DOI: 10.1017/S0007114521002154