お知らせ
- 2021.08.31
三世代コホート調査をもとにした妊娠前および妊娠中の穀物摂取と児の出生体重に関する論文がEuropean Journal of Clinical Nutrition誌に掲載されました
東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査(BirThree Cohort)をもとにした妊娠前および妊娠中の穀物摂取と児の出生体重に関する論文がEuropean Journal of Clinical Nutrition誌に掲載されました。本研究はカゴメ株式会社との共同研究です。
出生体重が2,500グラム未満で生まれてきた児は低出生体重児と呼ばれています。低出生体重児は将来的な肥満や高血圧、Ⅱ型糖尿病などの疾患発症リスクが高いことが知られていますが、日本における低出生体重児の割合は年々増加しています。この低出生体重児の割合増加と時を同じくして、日本では肉類や乳製品、油脂類の摂取量が増加している一方で、米などの穀物の摂取量は大きく減少しています*1。今回の論文では、妊娠前および妊娠中の穀物摂取と児の出生体重との関連を検討しました。
本研究において、妊娠前および妊娠中の穀物摂取量と児の出生体重の増加との関連が確認されました。今回の対象者を分析すると、妊娠前・妊娠中の穀物摂取量の約70%を米が占めていました。また、妊娠前および妊娠中の米の摂取量と児の出生体重の増加との関連も同様に確認されました。
本研究結果が、妊娠前および妊娠中の適切な穀物摂取の重要性の根拠となり、児の出生体重の増加や、児の将来の健康維持・向上に寄与することが期待されます。
*1 e-Stat. Food balance sheet (Japanese). 2018. Internet:
書誌情報
タイトル: Grain consumption before and during pregnancy and birth weight in Japan: the Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study
著者名: Yudai Yonezawa, Taku Obara, Takahiro Yamashita, Mami Ishikuro, Keiko Murakami, Fumihiko Ueno, Aoi Noda, Tomomi Onuma, Junichi Sugawara, Shigenori Suzuki, Hiroyuki Suganuma, Shinichi Kuriyama
掲載誌: European Journal of Clinical Nutrition
Published: 15 June 2021
DOI: 10.1038/s41430-021-00939-w