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2019.10.28

バイオバンク横断検索システム運用開始~国内のバイオバンク7機関で保有する65万検体の試料・20万件の情報が一括で検索可能に~【プレスリリース】

発表のポイント

・ 日本国内のバイオバンクで保有する試料・情報を一括して検索可能な「バイオバンク横断検索システム」の開発を行い、運用を開始しました。

・ 本システムについては、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(ゲノム研究プラットフォーム利活用システム)の研究開発課題「ゲノム医療実現推進のためのバイオバンク利活用促進に向けたバイオバンク・ネットワーク構築と運用支援に関する研究開発」(研究開発代表者:東北大学東北メディカル・メガバンク機構 荻島創一教授)により開発されました。

・ 本システムで検索対象なのは、わが国の3大バイオバンク(バイオバンク・ジャパン(BBJ)、東北メディカル・メガバンク計画(TMM)、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN))及び中核的な大学病院等の診療機関併設型バイオバンクである京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター(KUB)、東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンター(TMDU-BRC)、筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター(THB)、岡山大学病院バイオバンク(OBB)が保有する試料・情報です。総計約30万人分に相当する、約65万検体の試料や約20万件のゲノム情報等の解析情報の有無を公開し、検索可能にしています。

・ 国内のバイオバンクの連携により、国レベルで数十万を超える規模で試料・情報の横断的な検索が可能なバイオバンク・ネットワークが形成されました。これは国際的にも非常に先進的な取組みです。

・ 今後、試料の品質管理情報等も検索可能にするなど、バイオバンク横断検索システムの高度化に取り組み、アカデミアや産業界を含む利用者が、同システムを利用して、ネットワークに参画するバイオバンクの試料・情報を、ワンストップで入手するためのコーディネート機能の実現を目指します。

詳細

「バイオバンク横断型の試料・情報検索システムの基盤構築とプロトタイプ開発」の研究開発課題のプロトタイプ開発を受けて、統合データベースdbTMMをベースとして、バイオバンク横断検索システムの初版を開発しました。
バイオバンク横断検索システムは、下記のバイオバンクが保有する試料・情報に関する分散データベースを横断して検索することができます。

1. 検索対象のバイオバンク
(1)3大バイオバンク
 ① バイオバンク・ジャパン(BBJ)
 ② 東北メディカル・メガバンク計画(TMM)
 ③ ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)
※6つの国立高度専門医療研究センター(National Center:NC)のバイオバンクを繋ぎ、効率的に研究者に提供する活動を行っています。6つそれぞれのセンターは以下です。
 ・国立がん研究センター
 ・国立循環器病研究センター
 ・国立精神・神経医療研究センター
 ・国立国際医療研究センター
 ・国立成育医療研究センター
 ・国立長寿医療研究センター

(2)診療機関併設型バイオバンク
 ① 京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター(KUB)
 ② 東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンター(TMDU-BRC)
 ③ 筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター(THB)
 ④ 岡山大学病院バイオバンク(OBB)

2. 検索対象の項目
(1) 協力者情報
 ①性別 ②既往症・併存症

(2) 試料情報
 ①病名 ②試料種類 ③試料採取時年齢

(3)解析情報
 ① 解析情報種類(全ゲノム、全エクソーム等)
 ② ベンダー(解析装置の開発会社)
 ③ プラットフォーム(解析装置の製品名)

病名や試料種類などは、ICD-10やMIABISなどの標準に則っており、国内のバイオバンクの保有試料・情報を標準化された形式で横断検索することができます。国外ではBBMRI-ERICがバイオバンクの試料を検索するSample Locator の計画を進めており、ドイツのGerman Biobank Allianceは2019年10月、Sample Locatorのサービスを開始しました。このように、バイオバンク・ネットワークを構築し、横断的な試料の検索により利活用を促進することは、国際的にも非常に先進的な取組みであり、試料だけでなく、ゲノム情報等の解析情報もあわせて横断的に検索することができる点で、世界的に類をみないものです。

プレスリリース詳細(PDF)

 

関連リンク

AMEDバイオバンク横断検索システム