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2013.02.18

第6回ToMMoクリニカル・フェロー連絡会議が開かれました。

2013年2月12日(火)、第6回 ToMMo クリニカル・フェロー連絡会議が開かれました。ToMMo勉強会が併催され、布施昇男副部門長(ゲノム解析部門)が講師をつとめました。活発な質疑応答がされ、また鈴木洋一教授(人材育成部門)による補足説明がありました。

内容は以下の通りです。

講師: 布施昇男副部門長(ゲノム解析部門)

演題:ゲノム解析の臨床応用を目指して
 

内容:遺伝子が関係する疾患には、単一遺伝子病と common diseaseなどの多遺伝子病がある。これまでに、沢山のGenome-wide association study (GWAS)による疾患遺伝子検索がされ、例えば、2008年に日本人で2型糖尿病の発症リスクが1.2倍になる一塩基多型(SNP)が報告された。このような遺伝子多型は複数持ち合わせる事により、common diseaseの疾患発症率は上昇すると考えられている。

次世代シークエンサーは、リード長は~100bpと短いが処理能力は40Gbp~/ 日と非常に高く、個人の全ゲノムの解読を可能にした。従来のキャピラリー型遺伝子解析法と次世代シークエンサー(HiSeqとIonProtone)の簡単な違いについて勉強した。

東北メディカル・メガバンク機構では、まず宮城・岩手ゲノムリファレンスパネル(標準的な東北の方々の参照ゲノム配列)を決定する。ゲノムコホート研究により正常者から疾病発症するまでを追跡し、新規の疾患候補遺伝子の同定を行う。また、他の疾患コホート研究とも比較において、既知の疾患候補遺伝子の検証も行い、遺伝子レベルからの予防医学を確立する。これまで既に始まっている、23andMeなどの民間企業の遺伝子検査 (direct-to-consumer)は、遺伝的な祖先の同定、疾患に将来かかるリスクの提示、薬剤に対する副作用リスクの提示、マーカー遺伝子や遺伝子異常の有る無しといった情報を提供している。将来、東北メディカル・メガバンク機構では、ゲノム解析に基づく個別化予防や医療例の収集、 推定アルゴリズムの確立、Incidental findingの分類、遺伝情報回付に際しての最適モデルの作成などを目指している。