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2012.10.25

第一回ToMMoクリニカル・フェロー連絡会が開かれました。

2012年10月23日、仙台市の東北大学星陵キャンパスにToMMoクリニカル・フェロー6名が集まり、第一回ToMMoクリニカル・フェロー連絡会が開かれました。

2012年10月現在、10名の医師がToMMoクリニカル・フェローの任に就いています。フェローの勤務は一年が二つの時期に分けられ、地域での医療支援期間と大学での研修・研究期間の両方を経験します。

フェローのうちこの場に不在の者は東日本大震災で被災した地域での医療支援に入っており、公立志津川病院や公立南三陸診療所、女川町地域医療センターに勤務しています。彼らは地域医療支援につく期間が過ぎれば、別のフェローと勤務を交代して、東北大学での研修・研究を行います。また現在東北大学で勤務しているフェローは、交代の時期が来れば地域医療支援に赴きます。

本日の会は地域医療支援部門の八重樫伸生部門長の言葉から始まり、同じく地域医療支援部門の瀧靖之教授、菅原準一教授、阿部倫明准教授、目時弘仁講師がフェローへ語りかけました。

特に、フェローが地域医療機関に赴任している間も、東北大学から自分たちのような教員がフェローを支援する事、例えば産科が専門の教員や、MRI等画像診断が専門の教員にフェローが相談できる事等が話されました。

続いてゲノム解析部門の布施昇男副部門長と安田純教授の話に移りました。フェローは大学での研修・研究期間中にゲノム研究を行います。

現代はゲノム情報と臨床との間の距離が近くなってきており、その最前線に立つ医師がToMMoクリニカル・フェローである、そしてフェローが大学で勤務する期間には解析の最先端にキャッチアップする機会を与え支援していきたい、との言葉がありました。

次に地域医療支援部門の清元秀泰教授が、自らの震災や僻地医療の経験を踏まえ、これからの医療システムへ願う事や、フェローに担ってほしい役割を語りました。その概略は次の通りです。

震災時を振り返ると、カルテが津波で流され、また交通網が寸断されたために、被災地では医療に大きな混乱が起きた。

もし医療現場に医療情報サーバーが整備されていたならば、津波で流されない電子カルテを利用できただろう。また現地へ入る交通手段がない場合でも遠隔診療支援システムがあったとしたら、遠隔地から医療支援が行え、それが適切な治療や傷病者の搬送を助けて、当時の混乱を緩和できただろう。

そういったシステムがあったとしたら、どんなに助かったことか。

そして今、当機構では電子カルテによる診療情報保管をも含めた医療情報ICT化に取り組み、また遠隔診療支援システムを作ろうとしている。ToMMoクリニカル・フェローは、震災を受けた東北大学の一大プロジェクトに参加しているつもりで、仕事に取り組んで欲しい。

さらに「医療過疎が問題になっているが、専門医療機関からの距離の遠さが医療の格差とならないように、遠隔医療で支援したい」との思いや、「当機構で行う長期健康調査とゲノム解析をゲノム創薬へと将来結びつける事ができれば、日本の国力を上げられるのでは」との考えが述べられました。

連絡会ではフェローの自己紹介も行われ、また気仙沼市立病院の松田謙先生ともスカイプ中継がつながりました。

スカイプは、地域医療機関に勤務するフェローを遠隔地から支援するためにも使われます。

連絡会の終了後、フェローは実験室等の設備見学へ出発しました。

今後もToMMoクリニカル・フェロー連絡会等の会合が、当機構の他教員も交えて定期的に持たれる予定です。 

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