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2012.10.10

シンポジウム「みんなでつくる未来の医療-東北メディカル・メガバンク事業ができること-」 を開催しました。

2012年10月6日、東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が東北に築こうとする未来型医療を語り合うシンポジウムが宮城県の後援で開催されました。本シンポジウムには、元プロボクサーの経歴を持つ川島実医師(気仙沼市立本吉病院院長)や日本患者会情報センター代表・NPO法人アラジーポット専務理事の栗山真理子さんが招待講演者として登壇しました。

栗山さんの講演は「患者や社会が思う、ゲノムコホート事業に期待すること」に焦点を当てました。栗山さんは患者会での活動を紹介し、オーダーメイド医療実現化プロジェクトにELSI 委員として患者側の立場で関わってきた経験から、この種の研究や事業は成果が出るまでが長いことを話し、ToMMoには時間をかけて未来型医療の実現に向けて取り組んで欲しい、そして東北から医療を変えるという心意気を持って欲しいと語りました。

川島医師はボクシング引退後に農業を営み、その後地域医療に関わることになった経緯や、山形県の病院勤務時代に東日本大震災が起き、応援に出向いた宮城県気仙沼市の本吉病院では常勤医師が不在であり、そこで働きはじめたことを語りました。

また東北メディカル・メガバンク機構の3人の教授も講演し、主に地域医療支援と長期健康調査事業について説明しました。また自らの震災経験や、震災後の医療状況から機構のできた経緯も語られました。その中では震災の教訓は残さなければならないという言葉もありました。

講演に続いてはディスカッションが行われました。川島医師は会場からの質問に応じ、医療現場で働く立場からToMMoへ向けた期待として、津波でも失われない電子カルテのような災害に強い医療情報ネットワーク作りや遠隔医療の実施、医療現場への医師増員の三点を述べました。

本シンポジウムは、東北メディカル・メガバンク機構に関わる人々が出演したDate fm(77.1MHz 仙台)のCrescendo「みんなでつくる未来の医療」コーナーでパーソナリティを担当頂いた石垣のりこさんの司会でお送りしました。

最後に山本機構長が、病気と闘う人々を手助けするためにゲノム医療を進めたいと話してシンポジウムは締めくくられました。

本シンポジウムは、東日本大震災の経験を踏まえた新時代の医療を構築するために、ToMMoが進めていく事業について広く話し合う機会となりました。