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2025.11.13

非正常血圧の死亡への寄与に関する論文が掲載

現在の日本人において非正常血圧(収縮期血圧120mmHg以上または拡張期血圧80mmHg以上または降圧薬服用)が依然として死亡の要因のひとつであり、全死亡の約1割が非正常血圧で説明されることを明らかにした論文が国際科学誌Hypertension Research誌に掲載されました。

高血圧は脳卒中や心筋梗塞の危険因子です。しかし、現在の日本において、非正常血圧が社会全体の死亡にどの程度影響しているかは明らかではありませんでした。
本研究では、東北メディカル・メガバンク計画(TMM)地域住民コホート調査に参加した宮城県・岩手県の61,495人の住民データを解析し、非正常血圧が死亡にどの程度寄与しているかを、平均6.5年間の追跡調査によって検討しました。追跡期間中(2021年12月まで)に、対象者の同意に基づき確認された1,909例の死亡データを解析に用いました。参加者を降圧薬治療の有無と血圧レベルで12グループに分類(※高血圧治療ガイドライン2019の血圧分類は本来、未治療者に適用されますが、本研究では便宜上、治療を受けている人にも適用)し、血圧が全死亡にどれだけ寄与しているかを示す「人口寄与危険割合(PAF)」を算出しました。その結果、非正常血圧は総死亡の約9.5%(男性12.3%、女性5.2%)に寄与していました。また、死亡超過の数が大きかったのは、重症の高血圧群ではなく、該当者数が多い「治療中のI度高血圧」や「未治療の高値血圧」など中等度のリスク群であることがわかりました。

本研究から、非正常血圧は現在の日本でも依然として死亡要因のひとつであり、特に男性で寄与が大きいことや、集団への影響が最も大きいのは、有病率の高い「治療中I度高血圧」や「未治療高値血圧」といった中等度リスク群であることが示されました。この知見を活かすことで、より効果的な予防策の構築に貢献することが期待されます。

なお、掲載論文は『東北大学2025年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業』の支援を受けOpen Accessとなっています。

書誌情報

タイトル:Population attributable fraction of all-cause mortality due to non-normal blood pressure: Results from the 2013–2016 baseline survey of the TMM CommCohort Study
著者名:Rieko Hatanaka, Naoki Nakaya, Mana Kogure, Kumi Nakaya, Ippei Chiba, Sayuri Tokioka, Masato Takase, Yuka Kotozaki, Taku Obara, Satoshi Nagaie, Hideki Ohmomo, Takahito Nasu, Michihiro Satoh, Takahisa Murakami, Hirohito Metoki, Yohei Hamanaka, Masatsugu Orui, Eiichi N Kodama, Nobuo Fuse, Yoko Izumi, Kozo Tanno, and Atsushi Hozawa
掲載誌:Hypertension Research
掲載日:2025年11月12日
DOI:https://doi.org/10.1038/s41440-025-02436-0