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2014.08.26

次世代型シークエンサーによるデータのクオリティ・コントロールを行うソフトウェア開発についての論文が掲載されました

東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)ゲノム解析部門バイオメディカル情報解析分野の佐藤行人助教・長﨑正朗教授らを中心としたグループは、次世代型シークエンサーによるDNAデータのクオリティ・コントロールを行うソフトウェア開発についてBMC Genomics誌に発表しました。論文は、同誌電子版において特に読まれている”Highly Accessed”とされています。

ToMMo の日本人ゲノム配列決定は次世代型DNAシークエンサーを活用して行われています。その配列決定プロセスでは、まれに生じる気泡の混入などによって、ごく一部のデータのクオリティが低下することがあります。このような確率的なマシンエラーは、多くの場合には、決定されるゲノム配列のクオリティにほとんど影響を及ぼしません。しかし、より高精度の一次データを得る上では、そのような低クオリティ部分を選択的に除去できると望ましい場合があります。今回開発したソフトウェア「SUGAR」は、決定された配列データのクオリティ分布を高精細ヒートマップにより可視化し、マシンエラーの有無を効率的に検討します。また、コマンドラインから実行できるため、パイプラインに組み込み、低クオリティデータを自動的に除去することも可能です。このSUGARの機能は、より高精度なゲノム配列の決定だけではなく、がんゲノム、体細胞性突然変異、ミトコンドリアのヘテロプラズミーなど、極めて高い信頼度のSNP頻度解析を必要とする研究にも、有用であると期待されます。なお、このソフトウェアは、ToMMoの1000人ゲノムの配列解読後の情報解析にも利用されています。論文はBMC Genomics誌電子版に8月8日から公開されています。

論文名:SUGAR: graphical user interface-based data refiner for high-throughput DNA sequencing
(邦訳: 大量DNAシークエンスデータのクオリティ・コントロールを行うためのグラフィカルユーザーインターフェースソフトウェアSUGAR )

筆頭著者:佐藤行人助教(ゲノム解析部門バイオメディカル情報解析分野
責任著者:長﨑正朗教授(ゲノム解析部門バイオメディカル情報解析分野 インシリコ解析室長)