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2017.01.16

ゲノム解析に関する論文がHuman Molecular Geneticsに掲載されました

2017年1月5日、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の小島要講師・長﨑正朗教授(バイオメディカル情報解析分野)らによる原発性胆汁性胆管炎 (primary biliary cholangitis : PBC)に関するゲノム解析についての論文が、国際電子学術誌Human Molecular Geneticsに掲載されました。本研究は同疾患の全国60施設でのコホート研究を実施している長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学専攻 肝臓病学講座 先端医療学分野 中村稔教授(国立病院機構長崎医療センター客員研究員)のチーム、東京大学大学院医学系研究科人類遺伝学分野の徳永勝士教授のチームとの共同研究の成果になります。
中村稔教授らのグループは、2012年にゲノムワイド関連解析(Genome-Wide Association Study : GWAS)により日本人PBCの疾患感受性遺伝子を2か所(TNFSF15, POU2AF1)同定することに成功していましたが、本研究では、PBCの症例数をさらに増やしてゲノムワイド関連解析をすることと、東北メディカル・メガバンク機構で構築された1,070人の全ゲノムリファレンスパネル(1KJPN)を最大限に活用することにより、日本人で3番目となる新規PBC疾患感受性遺伝子PRKCBの同定とその責任SNP(一塩基多型)の同定に成功しました。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構の小島要講師および長﨑正朗教授らは、1KJPNの作成とその活用に加え、アノテーション解析による疾患関連遺伝子の絞込みにおいても多大な貢献を行いました。
また、本成果は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構で公募した第3回共同研究公募の成果の1つとなります。現在は、ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(Platforms Program for Promotion of Genome Medicine 略称 P3GM)の先端ゲノム研究開発 (Advanced Genome Research and Bioinformatics Study to Facilitate Medical Innovation 略称 GRIFIN) の研究課題「日本人大規模全ゲノム情報を基盤とした多因子疾患関連遺伝子の同定を加速する情報解析技術の開発と応用」が本研究を支援しており、同研究課題における初の成果ともなります。
 今後も、当機構は様々な多因子疾患の診療、研究に従事する疾患研究者と広く協力し、病態の解明や治療に結びつく成果をあげるべく努力していきます。

【論文情報】
Genome-wide association studies identify PRKCB as a novel genetic susceptibility locus for primary biliary cholangitis in the Japanese population
Hum. Mol. Genet. (2017)
doi: 10.1093/hmg/ddw406
First published online: January 5, 2017

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