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2016.01.28

全ゲノム解析情報を用いて急性リンパ芽球性白血病の治療効果判定に成功【プレスリリース】

~コホート調査の所見からの早期介入例~

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)は、2013年から地域住民コホート調査を実施しています。同調査では、原則として全ての参加者から採血を行い、その血液はバイオバンクの構築に用いられると共に、その一部は、参加者への結果回付等のために、通常の健康診断よりも詳細な検査に付されます。
 同調査に参加された方の詳細血液検査において、急性白血病の疑いのある方が発見され、本人への説明と同意のもとに、診断と治療のため、東北大学病院血液・免疫科への紹介が行われました。同科における検査から、本参加者は初期前駆T細胞性急性リンパ芽球性白血病(ETP-ALL)に罹患していると診断され、治療が開始されました。
 ETP-ALLは急性リンパ芽球性白血病のうちでも比較的まれで、治療が困難なタイプの白血病です。白血病は血液の悪性腫瘍であり、その発症には骨髄細胞で後天的に発生した遺伝子変異が関連しますが、ETP-ALLではそのような分子基盤の解明が進んでいません。そこで、東北大学病院 血液・免疫科での診断後、治療方針の策定と効果判定に包括的な遺伝子解析が有用と考えて、本人への説明・同意のもとにToMMoで全ゲノム解析を実施しました。その後、治療経過に沿って、全ゲノム解読によって得られた情報を活用して次世代シークエンサーによる治療効果の判定支援も行いました。
 本件は、前向きコホートでの偶発的所見が早期に研究参加者に直接還元されたケースです。今後、ToMMoは、今回のような直接的な貢献だけではなく、これまでの研究で得た知見を各種の悪性腫瘍の治療効果判定へ応用することで、さらに地域医療の進歩へ貢献してまいります。
 なお、本成果は、東北大学病院血液・免疫科との共同研究として、British Journal of Haematology 誌オンライン版に1月29日(英国時間)に掲載されました。

【論文名】
Monitoring of minimal residual disease in early T-cell precursor acute lymphoblastic leukemia by next-generation sequencing
Xiaoqing Pan, Naoki Nariai, Noriko Fukuhara, Sakae Saito, Yukuto Sato, Fumiki Katsuoka, Kaname Kojima, Yoko Kuroki, Inaho Danjoh, Rumiko Saito, Shin Hasegawa, Yoko Okitsu, Aiko Kondo, Yasushi Onishi, Fuji Nagami, Hideyasu Kiyomoto, Atsushi Hozawa, Nobuo Fuse, Masao Nagasaki, Ritsuko Shimizu, Jun Yasuda, Hideo Harigae and Masayuki Yamamoto
British Journal of Haematology 2016,  Published online: 29 JAN 2016
DOI: 10.1111/bjh.13948
PMID:26822323
「次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析情報による初期前駆T細胞性急性リンパ芽球性白血病治療の効果判定」
掲載誌:British Journal of Haematology

プレスリリース本文(PDF)

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