人材育成・進学

人材育成

東北メディカル・メガバンク機構では、事業推進を通じてこれからの医療を支える人材を育成しています。 当機構の長期健康調査事業にはゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)が必要であり、2012年11月より機構で働くGMRCの養成とToMMo GMRC認定試験を開始しました。 さらに、データマネージャー、認定遺伝カウンセラー、バイオインフォマティシャンらの活躍も期待されています。 これらの職種は近い将来、現在の医療をさらに進めて、個人の体質や生活習慣にあわせた医療を展開するためには、欠くことができないと考えられています。

また、集積している大規模なデータなどを幅広く利活用するためには、専門的な知識やスキルが必要です。こうした新しい要請に加え、研究機関、企業、行政、自治体の方々などを対象にしたビックデータ利活用の促進をはかるためにセミナーも数多く開催し、人材の育成にも取り組んでいます。

 

ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)

ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)とは、ゲノム医学の知識を持ち、コホート調査の参加者に研究について説明し、理解を得た上で研究協力の検討へとつなぐプロフェッショナルです。コホート調査では、調査協力者を募り試料や情報の提供をお願いします。これにはゲノム医療への応用を目指した研究利用も関わってくるため、協力者募集の際には十分な説明の実施と理解を得ることが必要になります。そのため、当機構ではToMMo GMRCの養成と認定試験を行っています。

ToMMo GMRCの養成コースは、疫学や遺伝学、倫理等に重点が置かれており、講義と実習を受けた後に認定試験を受け、合格者がToMMo GMRC認定を受けます。認定は5年間有効で、2023年7月末までに累計367名のToMMo GMRCを養成しました。認定後も知識・技術の維持と向上のため、継続した研修を課しています。さらに一定の現場経験を積み指定の講義・講演会で単位を取得したGMRCに対しては、より上級のAdvanced GMRCの認定を設けています。なお当機構でのToMMo GMRC認定とは別に、日本人類遺伝学会・日本疫学会のGMRC認定試験の受験も推奨しています。ToMMo GMRCは、特定健診会場、研究協力病院そして、当機構の地域支援センター等のコホート調査の現場で活躍しています。

コホート調査で重要な役割を担うToMMo GMRC教育に係る論文がBMC Medical Education誌に掲載されました

ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)の養成教育を開始します。

 

臨床遺伝専門医

臨床遺伝専門医は医師として専門的検査・診断・治療を実施し、遺伝に関係した問題の解決を担っています。遺伝子解析を伴うコホート調査を実施する上で必要な人材と考え、セミナー等を開催し育成を行いました。
2019年9月現在、7名の臨床遺伝専門医が当機構に在籍しています。

 

認定遺伝カウンセラー

ゲノム解読等で得られる遺伝情報の医療応用が一般的になってきています。認定遺伝カウンセラーは医療の場で、患者やその家族が最良の決定を行えるように、遺伝情報と疾患の正しい知識や、利用できる医療や社会支援等についての情報をわかりやすく提供しながらカウンセリングを行い、チーム医療の一員として働く専門職です。

 

バイオインフォマティシャン・生命情報科学者

コホート調査やゲノム・オミックス解析から得られる膨大なデータを解析するためには、コンピュータをベースにした情報処理に強いバイオインフォマティシャン・生命情報科学者が必要になります。
当機構では専門分野の研究者を招聘するとともに他の研究科等に講座を設置し、データ解析のプロを育成しています。

 

その他データ利用等に関する人材育成

コホート調査で得た試料・情報を利活用いただくべく、当機構ではデータシェアリング・分譲を進めています。しかし有効なデータセットを解析・公開するだけでなく、そのデータを利用する人材がいなければなりません。そのため、研究者や学生向けに東北大学にて「東北メディカル・メガバンク利活用勉強会 ~医用AI入門シリーズ~」をなどの勉強会等を開催しています。また、研究機関に限らず企業や行政、自治体の皆さまにも広く利活用いただくべく、どういった試料・情報があるのか、そしてどのように解析すればいいのかなどのノウハウを学ぶことを目的とし、受け入れや当計画およびその試料・情報、計算基盤を用いた講習会等を開催しています。また、協力関係にある企業と共同で、成果のさらなる利用拡大に向けたイベントの開催も行っています。

「東北メディカル・メガバンク利活用勉強会~医用AI入門シリーズ~」(左)/「ジャポニカアレイ®研究会」(右)

「LINK-J ネットワーキング・ナイト 健康調査情報から始まる未来の医療と健康」の様子

そのほか、文部科学省が進める先端研究基盤共用促進事業のもと、ToMMoの研究設備及び機器をご利用いただくことが可能で、解析施設の利用セミナーも開催しています。 機構内研究者にとどまらず多くの方々に当機構の持つ試料・情報、先端研究施設を利活用いただき、研究そして次世代医療のための底上げのため外部向けの人材育成にも力を入れています。

「多変量解析ソフトウェアSIMCA講習会」の様子

これまでのセミナー等開催例

先端基盤共用促進事業 多変量解析ソフトウェアSIMCA講習会を開催しました(2019/02/07)
「LINK-J ネットワーキング・ナイト 健康調査情報から始まる未来の医療と健康」を共催いたしました(2018/12/03)
第3回ジャポニカアレイ®研究会が開催されました(2018/11/20)
日本製薬工業協会の皆様が東北メディカル・メガバンク機構の視察に来られました(2017/06/02)
経団連と東経連の皆様が東北メディカル・メガバンク機構の視察に来られました(2016/09/09)

 

進学ガイド

大学院へ進学して東北メディカル・メガバンク機構の事業に参画したいとお考えの方へ

現在、以下の研究科の一部の研究室が東北メディカル・メガバンク機構の事業に参画しています。

東北大学大学院
医学系研究科
大学院入学希望者のページはこちら
東北大学大学院
情報科学研究科
研究科入学希望者のページはこちら
東北大学大学院
歯学研究科
大学院入試についてのページはこちら
未来型医療創造
卓越大学院プログラム
プログラム候補生募集のページはこちら

大学院生として、東北メディカル・メガバンク機構の事業に参画するには、上記の研究科に入学し、それらの研究室へ配属されるのが主な方法です。 詳細は上記リンクからご覧下さい。 情熱を持って参画する方々をお待ちしています。