お知らせ
- 2025.10.03
10万人の全ゲノムシークエンス解析の運用と品質管理の10年間の知見を論文発表
10万人の全ゲノム解析(WGS)を達成し、その大規模な全ゲノムシークエンス解析の運用と厳格な品質管理に関する10年間の取り組み・独自のノウハウをまとめた論文が、この度JMA Journal誌に掲載されました。
大規模全ゲノムシークエンス解析がまだ一般的でなかった2013年、東北メディカル・メガバンク計画の全ゲノム解析が開始されました。当時、既存の解析手法では対応できない課題に直面したため、当計画では、シークエンス解析の機器や規模に合わせて最適化された運用と品質管理手法を独自に開発し、解析を推進してきました。
本論文では、当機構の全ゲノムシークエンス解析の取り組みの方針、10年間にわたり確立したWGS運用、品質管理、そしてデータ基盤の詳細が共有されています。
今回の成果は、日本における大規模ゲノム研究の推進に大きく貢献するものであり、得られた知見は世界のゲノム研究コミュニティにとって貴重なリソースとなります 。今後も当機構は、これらの知見を活用し、ゲノム医療の発展と個別化予防の実現に貢献していきます。
なお、論文が掲載されたJMA Journalに、東京大学大学院新領域創成科学研究科 鈴木穣先生よりEditorialが寄せられています。この記事の末尾に紹介していますので併せてご覧ください。
書誌情報
タイトル:Advancements in Whole Genome Sequencing Protocols: A Decade of In-House Operations and Quality Controls at the Tohoku Medical Megabank
著者名:Fumiki Katsuoka, Junko Kawashima, Shu Tadaka, Akihito Otsuki, Yasunobu Okamura, Takafumi Suzuki, Takanori Hidaka, Kazuki Kumada, Tohoku Medical Megabank Project Study Group, Fuji Nagami, Atsushi Hozawa, Shinichi Kuriyama, Nobuo Fuse, Kengo Kinoshita, Masayuki Yamamoto
掲載誌:JMA Journal
掲載日:2025年10月3日
DOI:10.31662/jmaj.2025-0159
鈴木穣先生のEditorial
タイトル:The First Advent of the Whole Genome Sequencing Cohort in Japan
著者名:Yutaka Suzuki
掲載誌:JMA Journal
掲載日:2025年9月26日
DOI:10.31662/jmaj.2025-0389