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2016.12.27

山下理宇准教授らのlong non-coding RNAに関する論文がNature誌に掲載されました

当機構バイオバンク生命科学分野の山下理宇准教授は、ハーバード大学、九州大学、トリノ大学、ソーク生物学研究所のグループとの共同研究で、long non-coding RNAに関する論文「mTORC1 and muscle regeneration are regulated by the LINC00961-encoded SPAR polypeptide」を発表しました。
この成果は国際科学雑誌Natureに2016年12月26日付(日本時間27日)でオンライン出版されました。

■研究内容
近年、long non-coding RNA(lncRNA)と呼ばれている一群のタンパク質に翻訳されないRNAの一部は、実は短いペプチドとして翻訳される可能性が指摘されていましたが、それが生物学的に意味を持つのかは不明でした。今回、lncRNAの1つのLINC00961が、短いペプチドをコードし、タンパク質複合体であるmTORC1の制御を介して筋再生とも関わっていることを示しました。本研究において、このように生物学的な働きを持つペプチドをSmall regulatory Polypeptide of Amino acid Response (SPAR)と命名しました。そして、この結果は、non-codingと考えられてきたRNAには、実はSPARのような短いペプチドをコードし生物学的に重要な意味をもつものが数多くある可能性があることを意味しています。本研究の中で、山下准教授は、翻訳される可能性の高いnon-coding RNAを推定することや進化的な保存を見いだす等の、バイオインフォマティクス解析を担当しました。

【書誌情報】
論文題名)mTORC1 and muscle regeneration are regulated by the LINC00961-encoded SPAR polypeptide
掲載誌) Nature
著者)  Akinobu Matsumoto, Alessandra Pasut, Masaki Matsumoto, Riu Yamashita, Jacqueline Fung, Emanuele Monteleone, Alan Saghatelian, Keiichi I. Nakayama, John G. Clohessy & Pier Paolo Pandolfi
出版日) December 26, 2016
doi) 10.1038/nature21034
論文題名邦訳)mTORC1および筋再生は、LINC00961にコードされたSPARポリペプチドにより制御される