東北メディカル・メガバンク事業の行う遺伝子解析/ゲノム解析に関するQ&A

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用語について

遺伝子とゲノムは同じものですか?
いいえ。ヒトは精子や卵子に23本の染色体(1番から22番までの常染色体と性を決定する性染色体をいずれか1本)をもっています。受精の結果、受精卵は、22本の常染色体のペアと性を決定する性染色体2本(男性はXとY,女性はXが2本)をもち、ヒトの体を構成する細胞には通常これら46本の染色体があります。これがヒトの核に含まれる遺伝情報の全セットです。 一般に、生物の遺伝情報を含むDNA一式をゲノムと呼んでいます。これには、核のDNAのほかにミトコンドリアのDNAがあります。ゲノムDNAは全体としては非常に長いのですが、その中にタンパク質を作るための領域、生物学的機能を持つ領域が一部あり、これらの機能する部分を遺伝子と呼んでいます。ゲノムには遺伝子以外の領域も含まれているのです。
ゲノムコホートってなんですか?
コホート調査とは、人々の集団の健康状態の変化を時間をおって調査する研究の方法です。ゲノムコホートは、これらの人々から遺伝情報をご提供いただき、その後の健康状態と遺伝情報がどのように関連しているかを調査する研究です。

ゲノム解析と健康調査について

なぜ健康調査でゲノム解析をする必要があるのですか?
人間が病気になるのは、ゲノム解析でわかる生まれもっての体質と、生活する環境の両方が原因となっていると考えられているからです。

遺伝情報の採取について

子どもの遺伝情報はどうやって採取するのでしょうか?
臍帯(さいたい)血または4歳以上になった時に採血をお願いしてきましたが、採血が難しい場合は、唾液をいただいています。いずれかからDNAをとって、ゲノム解析をします。
遺伝情報はどうやって採取するのですか? 痛みがあったり、入院の必要があったりするのでしょうか?
ゲノム解析をするためのDNAは、少量の血液や唾液から採取することができます。入院の必要はありません。痛みがあるのは、採血の際が考えられます。

ゲノム解析の結果について

ゲノム解析で参加者の血縁関係が明るみにでることはありますか?
ゲノム解析の結果からわかってくる血縁関係をお返しすることはありません。
ゲノム解析の結果は回付するのですか?
遺伝情報に関しては、本調査の対象者が希望される場合に、東北大学及び岩手医科大学が共同で設置する「遺伝情報等回付検討委員会」の審査を経たうえで、遺伝情報の回付を行う場合もあります。しかし、遺伝情報は、その人の健康状態を評価するための情報としての精度や確実性が十分でない場合やその情報を回付することによってその人本人や血縁者に精神的負担を与えたり、誤解を招く可能性があることを考慮し、回付をしない場合もあり得ます。
ゲノム解析でわかったことで、差別などをうけることにならないでしょうか?
解析結果は個人が特定される形で公表されることはありません。また、他の方に個人情報に相当する情報が漏洩することはありません。この調査を行う者には守秘義務が課せられているため、知り得た個人情報を口外することはありません。調査が終わった後も同様です。
ゲノム解析によって将来かかる病気がすべてわかるということですか?
いいえ。ゲノム解析ですべての病気がわかるわけではありません。遺伝要因のみが原因の病気は一部であり、ほとんどの病気は、生活習慣などの環境要因と遺伝要因の両方が影響しています。