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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第39回

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  • 河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第39回
  • 生後から盛んに発達していく脳のしくみ/病気解明の手がかりに

    2015年10月7日 掲載
      西島維知子

     「三つ子の魂百まで」という言い伝えがあります。幼い頃の性格は年を取っても変わらないという意味です。
    私たちの脳では、1000億個もの神経細胞がネットワークを作っています。神経細胞と神経細胞の連結部分をシナプスと言いますが、生後6カ月から3歳までの間に最も盛んに作られます。幼児期には、一つの神経細胞が周りの神経細胞から受け取るシナプスの数が成人の約1.5倍もあるといわれます。その後、よく使われたシナプスはより強固となり、使われなかったシナプスは遮断され、神経細胞のネットワークは整理されて思春期には大人とほぼ同じ数のシナプスになります。このように神経細胞のネットワークが確立・強化される過程には、神経細胞自身や周りの細胞が作るタンパク質や化学物質が必要であることが分かってきました。
    例えば、その一種であるオキシトシンやセクレチンは、生活していく上で重要な社会性の形成に関わる神経細胞のネットワークを形作るために働いていると考えられています。もともとオキシトシンは母乳分泌に必要なホルモンで、セクレチンは消化酵素の分泌に働くホルモンとして知られていましたが、脳では別の役割を果たしているようです。
    神経細胞のネットワークは、生まれつきや幼い時期に決まる部分もありますが、成人するまで多様な因子の影響を受けて変化を続けます。この領域の研究によって、脳の発達のしくみの理解が深まることにより、発達障害などの病気の解明の手がかりが得られることが期待されます。
      
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