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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第22回

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  • 患者とその家族の健康を考える医学/ストレス軽減策を模索

    2015年1月21日 掲載
     中谷直樹

    現代社会においてストレスは増加する一方であり、「こころの健康」への関心が高まっています。これまで筆者は、心理社会的要因とがん発症・生存の関連について地域住民を対象とした、追跡を含む健康調査により検討してきました。その結果、性格や抑うつなどの心理的要因ががんの発症や進展に影響しない、もし関連があったとしても大きくないことが分かりました。国内外の研究結果から、人は、自分の性格のせいでがんに罹(かか)るのではないか、あるいはがんになったと考えたり、がん罹患(りかん)後、自分の心理面のために寿命が短くなるのではないかと考えたりする必要はないことが示されました。
    わが国ではがん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画で、患者のみならず、その家族の苦痛軽減が目標とされています。国内外の研究より、がん患者の配偶者は顕著な抑うつ・不安症状、高い死亡率といった多くの健康影響を受けると報告されています。その原因として、その介護による心理・身体的疲労、生活習慣の悪化、経済的負担の増大、生体内のストレス反応などが挙げられます。デンマーク国民の一部である100万人のデータを用いた筆者の研究においても、がん患者の配偶者のうつ病リスクが高まることを報告しました。
    このようにがん診断はがん患者のみならず、その配偶者・家族においても大きな負担となると考えられます。今後、がん患者の配偶者・家族の健康影響をさらに詳しく検討し、その低減方法を確立することが重要な課題であると言えます。
    筆者は、東北メディカル・メガバンク機構地域住民コホート調査を通じて被災地の健康を守ること、個別化予防・医療を開発することとともに、患者のみならず配偶者・家族の苦痛を少しでも軽減できるよう取り組んでいきます。

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