栄養素摂取量と食品群摂取量を分譲対象として追加
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東北メディカル・メガバンク計画の調査では、「⾷習慣に関するおたずね」という食物摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)により、参加者の方々が何をどれくらい食べているか情報を収集しています。この情報は分譲対象となっており、他の検査情報や解析情報と合わせてさまざまな研究に活用することができます。
これまで、食品の目安量(例:ご飯茶碗の大きさ)と頻度(例:ご飯を1日何杯食べるか)の情報を分譲対象としていましたが、2025年3月より、栄養素摂取量(例:炭水化物を何グラム摂取しているか)と食品群摂取量(例:穀類を何グラム食べるか)も追加しました。
実は、栄養素と食品群の分譲の要望は大きかったものの、その実現にはハードルがありました。
当計画のFFQは、日本多目的コホート研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study:JPHC Study)で使用されていたものをベースにしています。JPHC StudyのFFQは、FFQから推定される摂取量がどれだけ実際の摂取量と一致するか(妥当性)を秤量食事記録(食べた食品の重量を測定する)にて検証していました。同様にJPHC StudyのFFQは、同じ対象者に同じFFQ調査を繰り返し行った場合に、摂取量がどの程度一致するか(再現性)を複数回のFFQにて評価していました。
当計画のFFQは、JPHC StudyのFFQに対して独自の修正(各食品に対し「体質的に食べられない・飲めない」の選択肢を追加、いくつか食品を入れ替え)を行っているため、分譲にあたり妥当性と再現性を再検証する必要がありました。
再検証のため、一般成人213名、妊婦122人の参加者に対して、JPHC Studyと同様に秤量食事記録とFFQを実施しました。
その結果、一般成人において妥当性と再現性、妊婦において妥当性があることが検証できたので、今回分譲対象にすることができました。
なお検証結果は論文として発表しています。
2024.08.05 食物摂取頻度調査票(FFQ)における食品群摂取量の妥当性・再現性の検証に関する論文がJournal of Epidemiology に掲載
2024.12.24 食物摂取頻度調査票(FFQ)の妊婦における妥当性の検証に関する論文が掲載
2025.06.04 食物摂取頻度調査票(FFQ)における栄養素摂取量の妥当性・再現性の検証に関する論文が掲載
関連リンク(調査参加者募集のお知らせ)
2019.09.13 食事調査の調査協力者募集について「一般成人を対象とした食物摂取頻度調査票および24時間思い出しWeb食事調査の妥当性・再現性の検証」
2022.03.04 妊婦の食事調査への参加者を募集します
(2025年6月9日)