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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第57回

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  • 河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第57回
  • 本当の病気の原因を探る疫学研究/長期間追跡し見極める

    2016年7月20日 掲載
    成田暁

    「Aを食べるとがんになりにくくなる」「Bのような生活習慣の人は心疾患になりやすい」-。こんな報告を頻繁に目にします。これらは「疫学研究」と呼ばれる研究の成果であり、研究協力者の方からのアンケート回答や臨床検査の数値などから得られるものです。しかし、ある時点の調査でAを食べている人にがんが少ないからと言って、それがただちにAはがんを防ぐことを意味するとは限りません。
    例えば、統計解析の結果、ある病気と野菜摂取量が関係しているように見えたとしても、野菜不足だからその病気になりやすいのか、病気になったから食べる量自体が減って、野菜摂取量が少なくなったのか、すぐには分かりません。また、喫煙率は一般に女性より男性の方が高いので、男性に多い病気があったとして、男性であること自体が病気のリスクを高めるのか、実はたばこが原因なのか、これだけでは何とも言えません。他にも、見かけ上は病気と関連している要因でも、因果関係は不明確で、実は別のことが原因である例はたくさんあります。
    そのため、健康な人の集団を長期間追跡します。調査開始時にある要因を持っていたかどうかでその後の発症率に違いがあるかを調べたり、さまざまな要因の影響を考慮した計算式を用いたり、データを性や年齢層ごとに解析したり、より詳細な検証が行われます。
    ただし、残念ながら全ての健康情報が確かな疫学研究に基づくものとは限りません。皆さんが冒頭のような報告が正しいかどうかを見極められるよう、疫学研究の視点を今後広めていく必要があると考えています。

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