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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第6回

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  • 世界のバイオバンク事情/遺伝と環境の関係探究

    2014年5月21日 掲載
    峯岸直子

    大勢の人の健康に関わる情報と、血液などの試料を保存し、それを研究に利用する仕組みをバイオバンクと呼びます。
    病気の人の試料や情報を保存するバイオバンクは病気の原因遺伝子の同定、診断方法や治療薬の研究に活用されており、国内では東京大学などによるバイオバンクジャパンがこれに相当します。
    一方、英国の「UK Biobank」をはじめ、欧州などにある大規模なバイオバンクでは、健康調査と連動して、健康な人の試料や情報を収集・保管し、健康を保つために必要な遺伝要因と環境要因の研究に利用されています。
    バイオバンクに保管される試料や情報は、ボランティアとして提供されたものです。なお、ロンドンオリンピックと同様に、ボランティアがUK Biobankの参加者登録に関わったという話を聞きました。どのバンクでも、提供者は試料や情報の廃棄を要求することができます。また、情報や試料は、外部から個人が特定されないように、厳重に管理されます。災害時の個人特定などの例外を除いて、研究以外の利用は行われません。
    遺伝子の微細な変化と病気の関連を研究するには、かなり多くの人の遺伝子を解析し、情報を集めることが必要です。また、生活習慣や環境だけでなく、遺伝子にも地域差があります。そのため、中国など多くの国では大規模なバイオバンクの構築を進めており、世界保健機関も発展途上国などのバイオバンク構築を応援しています。わが国でもバイオバンク構築が進み始めています。
    遺伝子は変わらなくても、環境は変えられます。各国でバイオバンク事業がより盛んになり、人々がより健康に暮らすための研究が実を結ぶ日が来ることが待ち望まれます。

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