産後うつはいつ起こる? 産後1年までのうつ症状の推移について学会発表しました

2020年2月に京都市で開催された第30回 日本疫学会学術総会にて、産後うつについての研究結果を発表しました。今回はこの発表内容についてご紹介します。

この研究は、妊婦さんとその家族にご参加いただいている三世代コホート調査のデータをもとにしています。三世代コホート調査には2万人以上の妊婦さんが参加されていますが、この研究では必要な項目に対して有効回答が得られた11,290名を分析対象としました。産後、1ヵ月と1年後に、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)*1を用いた調査を行い、9点以上を「うつ症状あり」としました。

解析の結果、産後1ヵ月時、1年時ともに同程度の割合でうつ症状がみられました。二つの時期の両方でうつ症状がみられた方もいれば、症状が改善している場合もありました。特にToMMoの研究チームが注目したのは、最初はうつ症状がなく、後に症状があったグループです。

産後1ヵ月時にうつ症状がみられなかった方を100%とすると、産後1年で実に8.1%の方にうつ症状がみられました。
産後うつについては社会的な関心も高く、EPDSによるスクリーニングを実施する病院や自治体も増えているようです。ただ、それらは産後すぐの場合が多く、そこで該当しないとその後、ケアを受ける機会は大幅に減ってしまいます。

産後うつは産後直後、遅くとも数ヵ月後に起こるもの、と考えている方は多いようです。今回の研究結果を産婦さんたち、そして医療関係者や自治体の方々に認識していただければ、より多くの産後うつの方をスクリーニングできると考えます。
さらにToMMoの研究チームは、産後1年時にうつのリスクが高い層にどういった特徴があるのか、解析を進めています。この研究を進めることで、必要な層に対し適切な時期に適切な支援が行われるような仕組み作りが可能になると考えています。

*1.エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS):産後うつ病のスクリーニングを目的とした自己記入式の質問票。合計30点中、通常9点以上をうつ病としてスクリーニングする。

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