口腔内試料の大規模解析情報で健康の秘密に迫る

口腔内にはわかっているだけでも700種類以上の細菌が生息するといわれています。これらの細菌は虫歯や歯周病のような口腔内の疾患だけでなく、全身の健康状態にも関わっていることが近年の研究からわかってきました。
こういった背景からToMMoでは、コホート調査の詳細調査で歯垢・唾液・舌苔の採取を行っています。試料・情報の収集状況

このうち唾液および歯垢1,289人分の試料と、この試料に紐づく情報を用いた研究を論文発表し、唾液と歯垢の関連、そして口腔内の微生物の多様度と歯周病との関連を明らかにしました。
Saito Sakae et al. Oral Microbiome Analysis in Prospective Genome Cohort Studies of the Tohoku Medical Megabank Project. Front. Cell. Infect. Microbiol. 2021; 10 : . doi:10.3389/fcimb.2020.604596

この研究で実施したのが「マイクロバイオーム解析」です。マイクロバイオームとは、皮膚や口腔など、特定の場所に生息する微生物全体のことです。マイクロバイオーム、つまり微生物全体を一度に解析することで口腔内の状態を俯瞰的に捉えることができます。

ToMMoでは今回解析した16SリボソームRNA遺伝子シークエンスの配列情報を分譲しています。また統計情報はjMorpで公開しています。マイクロバイオームは生活習慣や民族集団により異なるとされ、日本で収集された大規模な試料の解析結果はToMMo以外の研究者にも貴重な情報となると思われます。
口の中には健康のヒントがいっぱいあります。情報の共有によりたくさんの研究が実施され、健康の秘密がどんどん明らかになることを期待します。
詳しくはプレスリリースをご覧ください。
2021.01.29 お口の中には健康のヒントがいっぱい ~日本初の大規模口腔マイクロバイオーム解析~【プレスリリース】

(2021年8月20日)