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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第33回

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  • 「健康復興」は実現したか/メンタル面の課題今も

    2015年7月1日 掲載
    栗山進一

    東日本大震災から4年3か月がたちました。震災によって多くの方々の生命が奪われ、健康を損なわれた方々も多数に上ります。では、健康を損なわれた方々は現在、健康面での復興を実現されているのでしょうか。
    これまでの大規模な自然災害後の人々の健康推移をみると、2004年のスマトラ沖地震と大津波の例では、災害直後にはさまざまな感染症が増加していました。数カ月後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病、不安障害などのメンタル面での障害が増え、さらに中長期的には生活習慣病までも増加していました。
    こうした事例からも、宮城県をはじめとした被災地で中長期的な健康調査を実施し、必要な対策を立て、これを実行していく必要のあることが分かります。さまざまな健康調査が行われていますが、その結果からは残念ながら、メンタル面で課題を抱える方がいまだに被災地で多く見られています。震災後に一時自殺率は低下しましたが、1年半ほどして増加に転じ、現在では全国平均を上回っています。少し大きな音を聞くと「ビクッとする」などの事例も報告され始めています。さらに小児では、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどと診断される子どもの割合が被災の有無で2倍以上異なるとの報告も見られるようになり、さまざまな課題が明らかになりつつあります。
    震災後、決して健康は十分に復興していないようです。震災の「教訓」は残さなければなりません。一方で、病気の増加など震災の「禍根」は残したくありません。これからますます健康復興が必要と思われます。
     
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