東北メディカル・メガバンク機構

倫理面の検討

  • 倫理面の検討
  • わたしたちの倫理的課題

    わたしたち東北大学東北メディカル・メガバンク機構が進めているのは、地域住民の方々おひとりおひとりから、採血・採尿・調査票へのご記入などのご協力を得ながら15万人規模の「バイオバンク」を構築する事業です。これまでの日本であまり例のないことも多く、国が決めた指針に沿いながら、慎重に事業を進めています。 特に、わたしたちが、15万人という大変多くのみなさまからゲノム情報をお預かりしようと計画していること、ゲノム情報の解析をもとにした結果をお返ししようという前例のない計画を立てていることから、多くの慎重な議論を重ねてきました。また、この事業が東日本大震災の復興を目指すものとしてはじめられたことから、激甚な被災地だった地域への配慮も、極めて重要です。 わたしたちが行ってきた議論は、事業において、ご協力頂く皆さまが、真に自らのご意思でご協力頂くこと、十分な説明を行い、ご協力への同意を頂くこと(“インフォームド・コンセント”と言います)、一度同意頂いてもいつでも撤回できること、をどのようにしてきちんとお約束できるかを検討し実現していくことを目的に、また、各種指針に沿いながら、地域への貢献を実現できるように、多方面からご意見を頂きながら進めてきました。

     

     

    1 積み重ねられている議論

    わたしたちは、上に述べたような課題をさまざまな場を設けて議論し、また、全国の有識者に議論を依頼してきました。

    1-1 施設内倫理委員会での検討

    機構で行われる人を対象とした研究は全て、文部科学省等により定められた指針に従い、大学に設けられた倫理委員会での審議、承認を受けた上で実施されています。東北メディカル・メガバンク機構では、2012年2月の発足から2014年6月までは東北大学大学院医学系研究科倫理委員会に依頼し、また、2014年7月以降は独自の倫理委員会を設けて審議にあたっています。

    2012年から2013年にかけて東北大学大学院医学系研究科倫理委員会にて審議・承認された機構の主要な事業に関する案件は、その後、東北メディカル・メガバンク機構倫理委員会に移管されています。

    また、岩手医科大学が実施する「いわて東北メディカル・メガバンク地域住民コホート研究」等については岩手医科大学の倫理委員会の承認が得られています。

    1-2 東北大学内及び学外の専門家を交えた検討

    前項で述べた施設内倫理委員会は、主に被験者の保護と科学的な妥当性・有用性を個々の案件に即して検討することを主たる目的にしています。また、東北メディカル・メガバンク計画が目指してきた事業全体の倫理的な課題については、東北大学東北メディカル・メガバンク機構において、さまざまな場を設けて検討が行われてきました。

    まず、機構内に、倫理的な課題を検討するための組織横断的な学内ワーキンググループが設けられ、2012年3月以来、およそ2週に1度のペースで議論を重ねてきています。このワーキンググループでの議論を経て作成された研究計画書・インフォームドコンセントフォーム等が、次項で述べる学外の専門家中心の検討(1-3項参照)を経た上で、施設内倫理委員会(1-1項参照)の審議に付されています。

    また、東北大学東北メディカル・メガバンク機構では、多様な倫理的な課題を検討するために、多くの専門家を招いてセミナーを開催してきました。セミナーの開催は2012年12月以来、2015年3月までに15回を数えています。

    セミナーの開催一覧はこちら

    1-3 学外の専門家を中心とした検討

    そもそも東北メディカル・メガバンク計画は、震災からの復興という目的のもとに開始された国家プロジェクトです。中心となったのは文部科学省であり、同省にて事業実施についての検討会が、平成24年4月から同年5月にかけて、計5回、「計画検討会」として実施され、平成24年6月8日に計画検討会「提言」がまとめられました。提言においては、本事業の推進体制の一環として、様々な分野の学内外の有識者から構成される課題別ワーキンググループの設置が急務とされました。 この提言を受けて設置されたワーキンググループの一つが、倫理・法律の側面から当機構に対する提言・助言を行うため、全国から選任された法学、生命倫理、および疫学研究等の専門家で構成される「倫理・法令全国ワーキンググループ(WG)」です。平成24年10月から平成25年4月までの計4回にわたる同WGの集中的な議論においては、コホート調査における説明同意文書の重要性が確認され、主としてその文書内容の検討が行われました。
    中間とりまとめ(平成25年2月)

    同ワーキンググループは、中間とりまとめ後も計画の進捗において直面する様々な課題について議論を重ねています。
    第4回 倫理・法令全国WG議事要録(平成25年4月)
    第5回 倫理・法令全国WG議事要録(平成25年11月)
    第6回 倫理・法令全国WG議事要録(平成26年11月)

    また、東北大学と岩手医科大学は、東北メディカル・メガバンク計画を両大学において推進するにあたり、両総長・両機構長らからなるガバナンス体制を築いています(東北メディカル・メガバンク計画推進合同運営協議会)。同協議会を監督し、計画の将来において考えられる様々な倫理的・法的・社会的な課題(ELSI)を検討するために、東北メディカル・メガバンク計画倫理的法的社会的課題検討委員会(ELSI委員会)が設けられました。同委員会は学外の専門家のみで構成され、両大学の事業への助言を行います。

    1-4 その他

    機構は、計画の推進にあたって、様々な倫理的な課題を話し合うための会合を開催したり、他の機関等が主催する会合に積極的に参画するなどしています。

    また、様々な機関・団体等と個別の議論を積み重ねたり、自治体の議会協議会等での説明の機会などを持つなどしています。

     

    2 各種資料等

    2-1 説明補助資料(調査についての説明時に使用)

    chiiki_cohort2015地域住民コホート調査

    cohort-h 三世代コホート調査

    2-2 承認を受けた主な研究課題の一覧

    研究課題名 倫理委員会による承認日
    「地域住民コホート研究」 平成25年3月25日
    「バイオバンク構築」 平成25年3月25日
    「ヒト全ゲノム解析に基づく高精度の住民ゲノム参照パネルの作成」 平成25年3月25日
    「三世代コホート研究」 平成25年5月27日
    「東北メディカル・メガバンク事業における多層オミックス解析のための予備的研究」 平成25年7月22日

    2-3 その他

    東北大学 東北メディカル・メガバンク機構は、みなさまからいただいた情報の、機密性と完全性を保全し研究開発への可用性を確保するため、情報セキュリティポリシーを定めています。

     

    3 利益相反について

    本項では当機構が行う研究のうち企業等が関係するなどして利益相反が発生する可能性があるものについて、東北大学が設ける「利益相反マネジメント委員会」における審議に基づき情報公開を行います。

    研究課題名:「ヒト全ゲノム解析に基づく高精度の住民ゲノム参照パネルの作成」

    本研究では、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発推進事業費補助金(文部科学省の次世代医療研究開発拠点形成事業費補助金(東日本大震災復興特別会計)から移管)を使用します。
    また、本研究では、東北大学と(株)東芝が共同開発したSNPアレイ「ジャポニカアレイ®」を用いて、血液検体の解析を行います。本研究の研究分担者である長﨑教授は、(株)東芝が寄附元である寄附研究部門の教員(兼任)であり、同社と年間200万円以上の共同研究を実施しています。また、同じく研究分担者の小島講師は(株)東芝が寄附元である寄附研究部門の教員(専任)です。
    本研究は、東北大学の実施責任者のグループにより公正に行われます。本研究における企業等との利害関係については、利益相反マネジメント委員会の審査と承認を得ています。今後、実施責任者等は、本研究における企業等との利害関係に追加・変更が生じる場合、その都度、東北大学利益相反マネジメント委員会へ申告し審査を受けることにより、本研究の企業等との利害関係について公正性を保ちます。

     

    針刺しや切創等の緊急事態発生時の対応について

    みなさまから血液などの試料をお預かりする際には、当機構は安全面について万全の注意をはらいます。しかしながら、万が一ではありますが、スタッフがみなさまの血液等を含む針などの処理を誤り、自らに傷をつけてしまう場合が想定されます。このとき、できるだけ早く受傷者の検査が必要となりますが、みなさまに対し、その血液の感染症に関する検査結果をお知らせするかどうか、お尋ねする場合がございます。詳しくはPDF資料をご覧ください。

    東北メディカル・メガバンク機構

    お知らせ
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