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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第45回

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  • 医療におけるゲノム編集技術の可能性/ヒトへの応用 動向注目

    2016年1月20日 掲載
     大隅典子

    生命科学や医学の分野において、私たちの遺伝情報「ゲノム」を自在に操る技術に注目が集まっています。これまでにも遺伝子工学などの技術はあり、例えば、糖尿病の治療に用いるインスリンは、ヒトの遺伝子を大腸菌に導入することで大量に得られています。1990年代末ごろから開発され始めたこの技術は、DNAを正確に切断できる効率の良い酵素の発見により、スピードや効率が格段に向上し、いわゆる遺伝子機能を欠損させたノックアウトマウスの作製に必要な期間も、1年から1カ月くらいに縮まりました。
    現在、このゲノム編集は農作物の品種改良などに用いられています。自然交配を繰り返すよりもずっと早く、該当する遺伝子部分を編集して、甘い果物や成長の早い野菜を作ることが可能だからです。また、iPS細胞技術と組み合わせ、患者由来の細胞を用いて病気の遺伝子を修復する試みについて研究されています。
    しかしながら、iPS細胞から精子や卵子を作製することもでき、ゲノム編集技術をさらに応用すれば、「もっと美しい人間を生み出したい」「もっと知能の高い子どもが欲しい」など、いわゆる「デザイナーベビー」の作製が可能になると考えられます。このようにゲノム編集技術をヒトの卵子などに応用することについては、生命倫理的な観点から大きな問題があると考えられます。折しも昨年12月に米国で開催された国際会議では「現時点でのヒトの生殖細胞へのゲノム編集技術の応用は無責任である」とする声明をまとめたところで、今後の動向が着目されます。
     
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