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DNA 二重らせんの配列を決める(シークエンス)ために用いられる次世代型シークエンサーと従来法(サンガー法)との違いは何でしょうか。一口に言うと、サンガー法が一つひとつDNA 配列を決めていくのに対し、次世代型シークエンサーは同時並行で一気に複数のDNA 配列を決定するというところです。複数というのが数千万から数億の規模になりますので、効率がぜんぜん違います。サンガー法しかなかった頃は病気の原因遺伝子の探索のためには、DNAの読み取りをする前に相当に絞り込んで、候補の領域だけを読み取るような創意工夫が必要でしたが、次世代型シークエンサーの出現で「まずはゲノムを解読してみよう」ということが可能になりました。ただ、サンガー法は今でも活用されています。サンガー法のDNA読み取り精度の信頼性はより高いので、次世代型シークエンサーの解析結果の確認に使います。また、特定の遺伝子の特定の場所を解析するのには費用もかからず、結果の解析も簡単なサンガー法が便利です。次世代シークエンサーでは膨大なデータが出てくるため、見たい結果を探すだけでも相当な作業が必要になります。
【関連リンク】
ToMMoではこうやってDNAを解読しています(前編:次世代シークエンサー)