コホート調査における遺伝情報回付

ToMMoの遺伝情報回付とは?

東北メディカル・メガバンク計画にご協力いただいた方々には、健康づくりにお役立ていただけるよう検査結果をお返ししていますが、現在、遺伝情報については、その人の健康状態を評価するための情報としての精度や確実性に欠けている場合があり、また、その情報を回付することによって、精神的苦痛を与えたり誤解を招いたりする可能性があるため、原則として結果はお返ししていません。

コホート調査の参加者一人ひとりに対して、遺伝情報をどのようにお伝えしていくべきなのか検討を重ね、2016年より、限られた人数の方々を対象に遺伝情報の解析結果をお伝えするパイロット研究(試験的な研究)を開始しました。

今後の医療において個別化医療・予防がより現実的になってきており、そのために遺伝情報を調べ回付する必要性が高まってきています。

遺伝情報の回付の検討については東北メディカル・メガバンク機構のページをご確認ください。

遺伝情報の回付についての検討の経緯

遺伝情報ってどんなもの?

遺伝情報には他の一般的な健康調査の検査結果にはない、不変性、予測性、共有性という特徴があります。

不変性
遺伝情報は一生変わらない
予測性
病気を発症する前に、リスクのある事がわかってしまう
共有性
親、きょうだいなどが同じ遺伝情報を持っていることがある

自分の遺伝情報を知るということは、「生涯その情報と向き合う」「将来病気になる可能性を受け止める」「家族の健康について情報を知る」ことにつながります。

遺伝情報回付で考えられる影響

遺伝情報を知ることで病気の原因がわかり、一人ひとりに合った治療や生活指導を受けられる可能性や、発症の予防や早期発見につながる可能性があります。また個人が持つ遺伝子の特徴は次の世代へ受け継がれることがあり、回付の対象者本人のほかに家族の健康管理につなげられる可能性があります。
一方で、病気になる可能性を知ることで、自身や家族の遺伝情報についてショックや不安を感じる可能性があります。

パイロット調査ではどんなことをするのか?

  • 講習会

    遺伝医学の専門家が、遺伝や研究の内容についてわかりやすくお伝えします。また参加者の疑問にお答えし、理解できるようお手伝いをします。その上で、研究参加に同意するかしないかをお考えいただきます。

  • 採血

    講習会の後、研究の参加に同意いただいた場合、採血を行います。

  • 遺伝カウンセリング(結果回付)

    遺伝子検査後、個別の面談で結果をお伝えします。医療機関の受診が必要と考えられる場合には、医療機関の紹介と予約を行います。
    ※研究内容によっては、郵送で回付する場合があります。

  • アンケート・インタビュー調査

    パイロット研究へご参加いただいた方のご意見をいただきます。

今までの取組みは?

2016年に第一回パイロット研究「家族性高コレステロール血症」を開始し、2019年には第二回のパイロット研究「医薬品の反応性に関する遺伝情報」を開始しました。

詳細は東北メディカル・メガバンク機構のページをご確認ください。

参加したい場合は?

今のところコホート調査にご登録の一部の方々に、参加のご希望をお尋ねするご案内を郵送にて発送しています。ご案内が届いた場合は、ご検討いただければ幸いです。

これまでの進捗状況

第一回パイロット研究「家族性高コレステロール血症」では、約200名の方に研究参加の呼びかけを行い、そのうち40名弱の方が参加を希望されました。その後さらに約450名の方に研究参加の呼びかけを行い、約180名の方が参加しております。本研究の進捗状況については、東北メディカル・メガバンク機構のページをご確認ください。

研究は今後も続け、回付のプロセスや、また回付が参加の方々に及ぼした影響などについて詳細を検討し、成果はウェブサイト等で公開していきます。

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