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地域住民コホート調査 

2021.05.27

家庭血圧を下げるには__塩少なめ、野菜多め、ぐっすり睡眠

みなさんのご家庭に血圧計はありますか?自宅での家庭血圧測定は自分自身の健康を日々チェックするためだけでなく、研究でも今注目されています。診察室で測定する場合、緊張からいつもより高い数値になってしまうなど、本来の健康状態を反映できていない可能性も指摘され、近年では家庭血圧が重視されてきています。その家庭血圧に影響を及ぼす危険因子として、肥満や飲酒が以前から知られています。

ToMMoが地域住民コホート調査のデータを用いて、オムロン ヘルスケア社と共同で研究を行ったところ、肥満、1日にビール中瓶(500ml)1本以上の飲酒(中等度以上の飲酒)、そして尿中に含まれるナトリウムとカリウムの比率(尿ナトカリ比)が高く、睡眠効率が低い場合、家庭血圧が高いことと関連していることが分かりました。
尿ナトカリ比とは、塩分摂取量および野菜・果物の摂取量のバランスを示す指標とされ、この値が高いと塩分の摂取過多、もしくは野菜・果物の摂取不足と考えられています。睡眠効率は、布団に入って目を閉じた時間に対して、ぐっすり眠った時間の割合で、この値が低いと睡眠の質が良くないと考えられています。

今回、家庭血圧高値への寄与度が大きかった危険因子の順は以下の通りです。
 1. 肥満
 2. 睡眠効率低値
 3. 尿ナトカリ比高値
 4. 中等度以上の飲酒
さらに、肥満や中等度以上の飲酒の有無を問わず、睡眠効率が低く、尿ナトカリ比値が高い場合、家庭血圧が高いことと関連していることが分かりました。

つまり、高血圧の予防・改善のためには、肥満や飲酒だけでなく、塩分を控えること、野菜や果物を多めに摂取すること、睡眠効率の改善を行うことが重要なのです。ご自身の食事や睡眠について、この機会に是非一度考えてみましょう。

・参考文献
Hirata Takumi, et al. Impacts of the urinary sodium-to-potassium ratio, sleep efficiency, and conventional risk factors on home hypertension in a general Japanese population. Hypertension Research. 2021; 44 (7): 858-865.

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