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第9回 外出控える中でも日光を浴びる時間を確保~ビタミンDは大切な栄養素

ビタミンDは、骨の材料となるカルシウムのサポート役。食べ物からのカルシウムが吸収されやすくなるように助け、骨や歯に届けたりする役割をしています。筋肉を動かすときや心臓を正常に動かすため、カルシウムは常に血液に乗って体中を巡っているのですが、その血液にカルシウムが少なくなった時には、ビタミンDが骨からカルシウムを溶かして血液に届けて、血液中のカルシウム濃度を高めてくれています。

ビタミンDの活性化が低下し、血中のカルシウムが不足してしまうと、骨密度が下がり、骨粗鬆症で背骨が曲がったり、くる病(骨がやわらかくなる病気)でX脚やO脚に変形したり、歯周病や虫歯にもなりやすくなります。また妊婦さんは自分のカルシウムを赤ちゃんに与えるため、ビタミンDは人体にとって重要な、骨の健康維持に欠かせない栄養素なのです。

実はこのビタミンDは日光に当たることで活性化される珍しいビタミンで、私たちの皮膚の中にあるコレステロールの一種に、日光の紫外線(UVB)を浴びることで作ることが出来ます。現在、家で過ごす時間が多く、それに最近では、特に若い女性の方は紫外線を浴びるのを恐れている方が多いのではないでしょうか。直射日光を浴び続けることはよくないですが、1日に10~20分ほどベランダや庭で日光浴をしたり、カーテンを開けて陽に当たることはストレス解消にもなりますし、実は必要なことなのです。

新型コロナウイルスの影響で外出を控えなければいけない状況ではありますが、食べ物からの摂取に加えて、積極的に1日数分でも顔や両腕を出し、陽の光を浴びてビタミンDを補給することが大切です。

*ビタミンDは魚やきのこといった食品等に含まれています。

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