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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第18回

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  • 「子どもの先天的疾患」と遺伝子技術/要因解明、新薬開発に道

    2014年11月19日 掲載
    川目裕

    「生まれつきの疾患」という言葉を聞いて、何が思い浮かぶでしょうか。出生前や生まれてしばらくの間に分かる疾患のことを先天性疾患、あるいは先天異常症と言います。染色体疾患、内臓の疾患、症候群、発達障害など、先天性疾患のいずれかを持つ新生児は20人に1人(約5%)で、まれなことではありません。原因は、染色体や遺伝子という遺伝要因によるもの、あるいは、妊娠中のお母さんがウイルスに初めて罹患(りかん)して赤ちゃんに影響するなど外因性の要因があります。一方、今の医学をしても原因が分からない場合が約50%を占めます。
    疾患を知った時、親と家族は、「なぜうちの子どもに起きたのか」と強く感じ、ショックや不安、悲しみ、疑問などを経験することが多くあります。このような気持ちは、特別な言葉かけなどですぐに消え去るわけではないのですが、正確な情報を知ることが気持ちの面で助けになることがあります。疾患の診断もその一つ。診断が判明すると、これからの子どもの成長の様子やより良い対応、気をつけること、社会資源などの情報が得られます。もちろん、同じ疾患があっても子どもさんはそれぞれ違いますが、大きな見通しが分かり、子育てに生かすことができます。最近、遺伝子解析技術の進歩によって先天性疾患の遺伝要因が解明されつつあります。それらの知見は症状の発現を予防する新薬などの開発にも少しずつつながっています。
    遺伝情報の変化は誰もが持っています。また、誰にでも起こり得るものです。そして先天性疾患は誰でも授かることがあります。長らく先天性疾患の医療に携わっていた医師として、米国筋ジストロフィー協会の子ども向け冊子にある文章を紹介します。
    「誰もがひとりひとり違っている、そして誰もが完璧ではない」

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