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河北新報 リレーエッセー 医進伝心 第11回

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  • 次世代シークエンサーとDNA/遺伝子でヒト読み解く

    2014年8月6日 掲載
    安田純

    私たちは「親から血を分けてもらった」という。けれど実際には血ではなくゲノムを1セットずつだ。
    ゲノムはアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4種類のDNAがいろいろな順番で30億個分並んでいる膨大なもの。その中には「遺伝子」と呼ばれる、細胞を形作る機能分子であるタンパク質一つ一つの設計図が3万種類くらい書き込まれている。
    父親と母親から合わせて60億もの情報が一つの受精卵に受け継がれ、ひとりの人間ができてくる。
    前世紀末に1人分のゲノムが読み解かれた時には、13年の歳月と今のお金で5000億円超がかかった。今では次世代シークエンサーという機器によって、数十万円の費用で、数日で解読可能になり、その結果、さまざまなことが分かってきた。
    例えば珍しい病気の原因や、予防できる薬の副作用がゲノム解読で判明した。他にもヒトにとって嗅覚は他の野生動物ほどは大事ではないことや、私たち日本人にもネアンデルタール人の遺伝子がわずかながら引き継がれているらしいことまで報告されている。
    でも、前世紀末に1人分のゲノムを読み解くときに期待していたような「ゲノムを読めば、病気だろうが性格だろうが何でも分かる」という時代はまだ来ていない。
    それは人間一人一人のゲノムの中のわずかな違いの意味が不明だからだ。育ってきた環境の違いも大きい。まさに「氏より育ち」である。
    一人一人のゲノム配列の差は0.1%程度。それでも300万もあり、これら膨大な違いの組み合わせを考えると、それぞれの違いの意味は永遠に不明なものもあるだろう。
    次世代シークエンサーによって分かること、分からないことを見分けていくことも遺伝子を「読む」ということなのだと思う。

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