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2014.08.11

複数種類の次世代型シークエンサーの組み合わせによる一塩基置換の読み取りの精度向上についての論文を発表しました。

東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部門元池育子、松本光代、檀上稲穂らは、複数の種類の次世代型シークエンサーによる一塩基置換の読み取りの精度向上について、BMC Genomics誌に発表しました。

次世代シークエンサーは各機種に特異的なバイアス(読み取り時のクセ)があることが知られています。精確なシークエンスのために種々の工夫があり、原理の異なる複数の機種を用い相互の特性を活かした読み取り精度の向上が可能なことが、これまで幾つかの研究で示されています。

今回の研究では、ブリッジPCRを用いるイルミナ社製HiSeqによるヒト集団の全ゲノム解析において、ライフテクノロジーズ社製の半導体型Ion Protonシークエンサーによるエクソーム解析が、エキソン領域で補完的な役割を果たしうることを示しました。Ion Protonは一塩基置換の読み取りにおいて最大97%、HiSeqの結果と一致し、一部の変異についてはHiSeqの結果を補完する(一人あたり最大53箇所/約1.6万箇所)ことが示されました。論文はBMC Genomics誌電子版に8月11日から公開されています。

論文名: Validation of multiple single nucleotide variation calls by additional exome analysis with a semiconductor sequencer to supplement data of whole-genome sequencing of a human population
(邦訳: ヒト集団の全ゲノム解析のデータ補完における半導体型シークエンサーを用いた追加的なエクソーム解析による複数の一塩基置換の検証)

掲載誌・号: BMC Genomics. 2014, 15: 673 (DOI: 10.1186/1471-2164-15-673)

筆頭著者:元池育子、松本光代、檀上稲穂
責任著者:山本雅之