東北メディカル・メガバンク機構

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2012.12.05

第5回東北大学国際産学連携シンポジウムにて山本雅之機構長とUKバイオバンクのクリスチャン・スプレックレー氏が講演しました。

第5回東北大学国際産学連携シンポジウムにて山本雅之機構長とUKバイオバンクのクリスチャン・スプレックレー氏が講演しました。

2012年12月4日、東京大手町にて第5回東北大学国際産学連携シンポジウムが開催されました。本シンポジウムは『東北大学からのメッセージ〜震災に学ぶ 国際社会との新時代の連携』と題し、東北メディカル・メガバンク機構及び災害科学国際研究所の活動などを通じた「東北復興、日本再生の先導」にむけた本学の新たな取り組みと「ワールドクラスへの飛躍」を目指した産学連携の国際展開を紹介したものです。

シンポジウムの後半では、山本雅之機構長が講演しました。演題は「東北メディカル・メガバンク機構の活動紹介」です。

講演ではまず、震災直後の様子について「1年半前の震災の写真を見ると、言葉にならないほどの大きな被害だったことを今でも強く思い出します」と述べ、そのような中でも東北大学医学部が3月から5月までの2ヶ月間でのべ1500人を超える医師を被災地へ派遣した様子を紹介しました。

震災前から東北地方が抱えていた医療過疎問題や、病院の建物自体の再建は進んでいることなどを熟慮のすえ、「東北地方が創造的な復興を遂げるには、医療復興のエンジンとなる魅力的なプロジェクトを立ち上げる必要がある」との結論に至り、本機構が設置されたとの経緯を説明しました。

次に、東北メディカル・メガバンク事業の内容について、沿岸部の復興支援と合わせ、ゲノムコホート作りによる個別化医療を目指したバイオバンクの作成を目標とすることを述べ、「バイオバンクという世界でも最先端の医療をめざし、東北大学医学部が総力をあげて挑んでみたい」との決意を表明しました。

また、現在の東北地方の医療について、改善できる部分は電子カルテにあることを言及し、「病院が違っても電子カルテの形式が同じになるよう、地域共有型の電子カルテをこれから作成していけば、個別化医療や予防医療の実践にも有益になる」とし、さらに、今後、津波のような自然災害が万が一起きても決してカルテが失われることのないような仕組み作りにも力を注ぐことを語りました。

また、事業の一つとして、8万人を対象とした地域住民のコホートについても詳しく解説し、「東北沿岸部は3世代の同居や近居の生活スタイルをとっている家庭が多いので、住民コホートを行うには日本の中でも理想的な地域。アメリカやイギリスのバイオバンクで既に遺伝データがかなり出て来ているので、我々はまず1000人にしぼって日本人のゲノムの特性に関する調査にまずは精力的に取り組みたい」と、東北地域で本機構が実施される意義や今後の事業の焦点についても述べました。

講演の最後には、地方自治体へ伺って協力要請をした際に「未来の世代の医療を作りあげるために一緒に頑張りましょう」と多くの病院からご理解を頂いたこと、さらにはこれから15万人の住民の方々に調査のご協力をして頂きたいとの目標を発表しました。

山本機構長の講演の後、世界でも有数のバイオバンク事業であるイギリスのバイオバンクにて科学プロジェクトマネージャーをしているクリスチャン・スプレックレー氏が講演しました。

スプレックレー氏は、事業内容をデザインする際の様子を話し、「これからのゲノム研究を発展させていく上で、大規模人数によって質の良い統計データが必要」と考え、イギリスで50万人を対象としながら調査サンプルの採取や保存、分析の仕方の自動化などにも細心の注意を払って立ち上げられたことを話されました。

また、バイオバンクがもたらすメリットについて「複雑な疾病をより治療しやすくなる。例えば、疾病内容と、患者さんのアンケート結果を照らし合わせることができるし、また、過去のカルテと照合しながら、自己申告で心筋梗塞と言っている患者さんが他の病気にかかっていないか、合併症もより簡単に調べることができる」と説明し、今後の医療にどのように貢献していくか解説をされました。

講演では、住民の調査を行っているアセスメントセンターの様子や実際の調査の具体的な流れ(受付、同意書の記入、アンケート調査の回答、血圧脈拍の測定、聞き取り調査、視力検査、身体検査、採血)も写真を紹介しながら説明し、調査結果の個人情報が個別のバーコードIDによって厳重に管理されている体制も紹介されました。

シンポジウムでは東北大学の里見進総長やWHO神戸のアレックス・ロス所長らも講演し、これから東北大学が歩んでいく復興の道のりが国際的、長期的な視点から語られました。

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