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2016.04.26

山岸助教らの論文が科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました

東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の山岸潤也助教(現・北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 准教授)らが歯垢サンプルからのDNA抽出条件を検討し、簡便な方法であっても結果の再現性などにおいて遜色ないことなどを示した成果が、オンライン学術誌PLOS ONEに、4月22日付で公開されました。

ヒトの体には数百兆個もの細菌が共存していることが知られています。また、細菌叢つまり「個人ごとに共存している細菌種とその割合」が一人ひとりで異なることが近年明らかになってきました。さらに、これら細菌叢とそれを持つ個人の健康との間に様々な関連があることも判明してきています。そこで、各個人の持つ多様な細菌叢を検査することで疾病予防に役立てる試みが、世界中で進められています。
ToMMoでも、ヒト細菌叢と健康との関連を研究するために検体の収集をおこなっています。今後、大量の検体を処理するためには、解析に必要な細菌DNAを効率よく抽出するための簡便・安価な方法や、または高品質かつ自動化された抽出方法の確立が求められています。そこで山岸らは、抽出方法の比較検討を行いました。
今回の研究では、ヒト細菌叢の国際プロジェクト研究で採用されているPoworSoilキット、自動化DNA抽出システムQiaSymphony、および簡便なBoil法によるDNA抽出結果を比較しています。ヒトの口腔プラーク検体から細菌16S rRNA遺伝子V4領域(約260 bp)をPCR増幅、大量配列決定し、結果の再現性と検出細菌種の多様性を指標として評価を行ったところ、いずれの方法でもほぼ遜色のない結果が得られることが示されました。
PowerSoilは定評があるものの、手作業が必要で比較的高価です。Boil法は安価で大量処理が可能な一方、残渣が多く長期保管に適さない可能性があります。QiaSymphonyは作業を機械化できる一方、比較的高価な設備とランニングコストが必要です。
本論文では、ほかにこれらの手法の細菌叢検出バイアスについても分析し特徴などを明らかにしています。これら手法ごとの特性と、予算および研究目的などを踏まえて、適切なDNA抽出方法を選択するための一助となることが期待されます。
さらに今後、本研究の成果の改良を進めることで、より適切なDNA抽出をおこなうことができると考えています。

【掲載論文】
Comparison of Boiling and Robotics Automation Method in DNA Extraction for Metagenomic Sequencing of Human Oral Microbes
Junya Yamagishi , Yukuto Sato , Natsuko Shinozaki, Bin Ye, Akito Tsuboi, Masao Nagasaki , Riu Yamashita
Published: April 22, 2016
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0154389

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